ヤマハ YZ250F(2014)
ヤマハ YZ250F(2014)

ヤマハ YZ250F(2014) – モトクロスレーサーの新しい姿がそこにある

掲載日:2013年09月06日 試乗インプレ・レビュー    

インプレッション/中村 泰介  まとめ/ダートライド編集部  写真/佐藤 春道、ヤマハ発動機

ヤマハ YZ250F(2014)の試乗インプレッション

ヤマハ YZ250F(2014)の画像

新開発のどれもがタイムアップに貢献
レーサーとしての正常進化を純粋に遂げている

このYZ250Fの試乗は、福島県にあるモトスポーツランドしどきで実施された。当日は前夜の集中豪雨により全面マディのコンディションに加え、当日もプレハブ小屋内での会話がままらない程の打ち付ける豪雨となり、コースの奥の方はまともに走れない程の悪条件となった。

この中を、15分×2セッションの枠でインプレッションを行った。ここからは国際A級ライダーの中村 泰介選手にバトンタッチして、その実力に迫ってみたい。

ヤマハ YZ250F(2014)の画像

「まず、乗って最初に感じた事は、『エンジンが走る』と言うところでした。フューエルインジェクションになったからと言って馬力が出るなんて事はないのですが、今回のモデルはエンジンが素晴らしいです。低回転からスロットル操作に対しリニアに反応し、中高回転域でもパワフルでありながらコントローラブルであり、トラクションもかけやすい特性となっています。特に中回転から高回転にかけての駆動力の向上は、今回の泥が重くなった高負荷のコンディションにも負ける事なく、グイグイと前に進めてくれている事が良くわかりました。このエンジンがレースで武器になる事は間違いありません。

そして、そのアドバンテージとなるエンジンパワーを路面に伝えるクラッチの進化も感じる事が出来ました。従来モデルに対し、更にダイレクト感が向上したクラッチは向上したエンジンパフォーマンスとあいまって、抜群の瞬発力を発揮。コーナー立ち上がりすぐのジャンプなどでは飛距離に差が出る事は間違いなしです。今から来季(2014年)のAMAスーパークロス ライツクラスが楽しみになってしまう程でした。

ヤマハ YZ250F(2014)の画像

車体は、従来モデルのレイアウトからYZ450Fで採用していた後方排気レイアウトに変更され、ビジュアル的にも大きな変化を遂げたモデルだけあり、その乗り味も注目されるところだと思います。この点で最初に感じた事は、フロント周りの安定感でした。フープスやブレーキングギャップなどで左右に振れ出す事がなく、安定して前に進む事が出来ます。これは、フロントのアクスルシャフトが太くなった効果の他に、後方排気化によるマスの集中によりピッチングモーションが軽く感じられるようになった事も影響しているのでしょう。

そして、旋回時ですが、コーナー入り口でファーストモーションが軽く感じられ、曲がるきっかけが作り易く、自然とコーナーに入って行けました。従来モデルは安定感が有る代わりに動き出しが若干重くなっていたように感じましたが、そこが見事に解消されていました。2014モデルは進化したフロント周りで安定感を保ちつつ、マスの集中化により車体全体での軽快性も向上。安定性と軽快性を両立させています。

ヤマハ YZ250F(2014)の画像

1つ気になった点として、レイアウトが従来モデルに対し大きく変わった事により、当然乗り味が変わっています。2013年までのモデルに乗り慣れている人は、短い時間での試乗では良さが伝わりきらないのでは? と感じました。各地で試乗会が予定されているので、試乗時は変化を冷静にとらえてもらい、良さに気付いてもらいたいと思います。」

※編集部補足
2014YZシリーズ全国試乗会開催日程
10月13日(日) オフロードヴィレッジ 埼玉県川越市
10月20日(日) 北海道オフロードパーク 北海道千歳市
11月03日(日) スポーツランドSUGO 宮城県柴田郡村田町
11月10日(日) プラザ阪下 大高府河内長野市
11月17日(日) MXフィールドトヨタ 愛知県豊田市
12月01日(日) HSR九州 熊本県菊池郡大津町

ヤマハ YZ250F(2014)の詳細写真は次ページにて

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