


掲載日:2011年04月27日 試乗インプレ・レビュー
イタリアのフィレンツェを本拠とするベータの歴史は古く、自転車メーカーとして1904年に創業した。1948年にはCERVO48という2サイクル空冷48cc単気筒のオフロードバイクを製造。そして現在ではトライアルをはじめ、スクーターやモタードも手がけている。いまだに2ストロークもラインナップする中、すべてのモデルに単気筒エンジンを採用。これはベータのポリシーである「the play bike」を表している一面といえる。そのベータがめざしたエンデューロマシンの姿をインプレッションで紐解く。
2008年に現在のベータモータージャパンが設立。2010年にはサポートを受けた斉藤祐太朗選手がJNCCにフル参戦、Aクラスで常に表彰台争いをしている。今回、試乗の機会を得たのは、斉藤選手が乗っているマシンより新しい2011年モデル。さっそく石井正美氏にインプレッションをお願いした。
「(エンジンは)下から上まで出方が一定で、パワーはあるけど(バイクに)振り回されないね。ライダーが抑え込まなくても走るから、細かい切り返しやウッズセクションがラク。
サスペンションはゴツゴツ感もなく、かなり動きがいい。エンデューロや(河川敷などの)トライアル的な場所を走るのに合っているよ。(出力特性的に)クラッチをあまり必要としないというのも車体のキャラクターと同一線上。だからモトクロッサーのように乗ろうとすると、どうかな、と思うよ。そもそもモトクロッサーとは設定が違う」。
石井さんの言うモトクロス乗りというのは、高いピークパワーと、それを受け止める車体の強さで攻めるタイプ。最近はエンデューロでもモトクロッサーの姿をよく見る。それは軽くてハイパワーだからだ。だがベータはトライアルマシン作りに長けているメーカーらしく、スムーズな乗り味をライダーに提供する。コントロールしやすいマシンは、長時間レースにも向いているのだ。
「400は250と比べて重さがあるのは確か。例えば失敗したときに支えるとか、向きを変えるとかいう場合でね。コースやライダーによって400のメリットと、苦手とする部分の感じ方が違うだろうね。ただ、この400はおれの乗り方に合っているから興味があるよ、レースで使ったらどうだろうって。トルクがあるからスピードを落とした後のヒルクライムでも上っていく。もちろん速い。400という選択肢も充分にありだと実感したよ」。
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