


掲載日:2011年02月16日 試乗インプレ・レビュー
トライアルバイクのメーカーとして名を馳せているベータが本格的なエンデューロバイクを手がけ始めた。400、125とラインナップがある中、このRR ENDURO 125 4T LCは水冷SOHC4バルブ単気筒を搭載。これは海外で幅広く販売されているヤマハ製エンジンだ。それに400ccレーサー譲りのフレーム&外装と、ダート走行にも音を上げない専用の足回りを装着。2010年末に日本で発売を開始した。今回も試乗はエンデューロ界のレジェンド・石井正美氏にお願いした。
以前からヤマハTT125系エンジンを搭載したモデルがいくつかあったが、カワサキKLX125を皮切りにハスクバーナTE125も登場。そして2011年5月にはガスガスのランドネ125cc 4Tというトライアル入門&山遊び用マシンも発売予定であり、原付2種市場はにわかに熱くなってきている。ちなみにベータはトライアルを強く意識したアルプ125というモデルをすでにラインナップしている。だが、そちらは先に挙げたヤマハ製空冷エンジンを継続採用しており、このENDURO 125 4T LCとは明らかに路線が違う。こちらの水冷エンジンは、イタリアのミナレリ・ヤマハ製。WR125R/Xといった海外モデルをはじめ、ハスクバーナのTE125にも採用されているパワーユニットだ。
フロントフォークにはパイオリ製倒立式を採用。リヤショックはトライアルマシンで見られるオーレ(OLLE)製。前260 mm、後270mmというホイールトラベルを考えると、125だからと侮れない。ちなみに日本未導入だが空冷の下位モデルも存在する。エンジンこそ自社製ではないが、この4T LCは400譲りのフレームやアルミスイングアーム、そして走りを意識した足回りを備えた本格派だ。
「サスペンションがよく動いて良いね。ショックの吸収性もスモールクラスによくある『ほどほど』とは違ってしっかりしている。それはエンジンも同じで、ちょっと走れるようになってもバイクがその先も楽しませてくれると思うよ。そういった意味で125はこれくらい、という常識を打ち破っている。それでいて低速がすごく粘ってエンストする気配がまるでない。これは小排気量ということもあるけど、一回の爆発が小さいからスロットルを戻してもギリギリまで回り続ける。400と同じで扱いやすい味つけだからクラッチ操作はほとんど不要。そのあたりも扱いやすさにつながっている。いまオフロードは、ミニモトと250フルサイズの間を埋めるモデルが少ないけど、こいつはそこにぴったりだね」。と非常に高い評価だ。
以前あった2スト50ccのような「手軽に遊べてバイクの基本を教えてくれる」モデルは、いつの時代も必要な1台だ。そこにベータは妥協のないマシンを投入してきた。このバイクが新たな125旋風の中心となるのは間違いない。
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