ヤマハ WR250F
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ヤマハ WR250F – シェアNO.1を不動とした5バルブエンデューロ

掲載日:2011年02月02日 試乗インプレ・レビュー    

シェアNO.1を不動とした
5バルブエンデューロ

エンデューロWR250Fは、モトクロッサーYZ250Fから派生したマシンだ。車名のWRはワイドレシオの略で、古くは2スト時代にエンデューロレーサーWR250ZやトレールモデルDT200WRなどがあった。WR250Fシリーズは2001年モデルからスタート。ヤマハがFZ750以来培ってきたDOHC5バルブを搭載。日本人に合った250の車格や扱いやすさが受け入れられ、あっという間に日本のエンデューロを席巻した。

ヤマハ WR250Fの特徴

ヤマハ WR250Fの画像

WR250Fは毎年マイナーチェンジを繰り返し、2003年モデルでセルスターターを装備。3.5kgの重量増はまぬがれなかったが不整地や疲労時でのキックを考えると、格段に有利なマシンへと生まれ変わった。2007年モデルで軽量なアルミフレームを手に入れた。このフレームはエンデューロですぐれた走破性を得るために、鍛造パーツで鋳造部分をサンドイッチする構造を採用。全9点の構造部材は、3種類のアルミ材質を配置して適度なしなりと剛性バランスを実現している。このマイナーチェンジ時に吸排気カムの最大リフト角を最適化した専用カム・プロフィールを採用。またリアサスはサブタンクを大型化して、長時間エンデューロでも安定した性能を得られるようになっている。そのほか、工具を使わずに開閉できるエアクリーナーボックスや、バインダータイプのエアクリーナーエレメント固定方式を採用。2008年モデルではフロントのアクスルシャフトやブレーキシステムの見直しによって計500gの軽量化を達成。エンジン点火時のみ点灯するヘッドライトやバッテリーの強化など、細部に渡るリファインが施された。2009年モデルはグラフィックの変更のみ。

ヤマハ WR250Fの画像

試乗車は2010ISDE(インターナショナル・シックス・デイズ・エンデューロ)の日本代表を務めた内山裕太郎氏に2008年モデルをお借りした。ちなみに内山氏は全日本エンデューロやJNCCでトップランクを誇る。また、海外レースの経験も豊富なライダーだ。同日にエンデューロ界のレジェンド・石井正美氏にも乗っていただいた。

石井「WRはフレームがしっかりしていて、低速だとハンドリングに重さを感じるね。フレームがしなっていないというか。これは同時期のYZ-Fも同じ。でも、ハイスピードでコーナーへ突っ込んでもピタッとするし、ギャップの多いストレートでもマシンの挙動が安定している」。

内山「昔からヤマハは直進安定性を重視しているんですよね。フロント回りの剛性が非常に高い。だから慣れていないとコーナーで寝かすのが難しく感じるかもしれないけど、ぼくは慣れたので違和感ないですね」。

ヤマハ WR250Fの画像

石井「エンジンは下からのトルクがあって、KTM250EXC-Fみたくエキスパート好みな部分もない。全域でスムーズだからレース後半の疲れたときでもペースがあまり落ちないだろうね。これが多くのライダーに受け入れられていると思う。デビューしたときは2ストみたいにパンチのあるエンジンだと思ったけど、年々マイルドさも加わって、気付けばオールマイティーといえるキャラクターになった。その点、独自のアイデンティティーを主張したがる外国車メーカーと違うね」。

内山「国産は多くのライダーに向けられていますからね。エンジンはセルが搭載された後にクランクシャフトが大きくなっています。このエンジンの扱いやすさにはレースで助けられています。長らく基本的な構成は変わっていませんから、耐久性に関してはオイルさえちゃんと換えていれば大丈夫。ただ、1000mを越える高地へ行くとキャブのセッティングがキツイですね。エンジンが吹けなくなる。標高の高いダートへ遊びに行くときは、メインジェットを薄めにセッティングしておくといいですね」。

ヤマハ WR250Fの詳細写真は次ページにて

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