ヤマハ トリッカー
ヤマハ トリッカー

ヤマハ トリッカー – 世の注目を集めた先鋭的なスタイリング

掲載日:2009年10月15日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

世の注目を集めた先鋭的なスタイリング
トリッカーでの遊び方を検証する!

2004年、ヤマハが世に送り出した斬新なスタイルのストリートモーターサイクル「トリッカー」。「フリーライド・プレイバイク」をコンセプトに生み出されたこのモデルは、オフロード車のような外観ながらシート高810ミリという足つき性のよさや125キロの車体重量の軽さなど、コンパクトで扱いやすいバイクとして脚光を浴びた。またその取り回しやすい車体の中には、“バイクで遊ぶ”ことの可能性をどこまでも広げるポテンシャルが秘められている。日ごろハーレーなどの大型バイクにばかり乗っている僕が、さまざまな遊び方を教えてくれる250ccバイクに跨ってみた。

ヤマハ トリッカーの試乗インプレッション

ヤマハ トリッカーの画像

評判に違わぬ高いバランス能力
トリッカーを使った楽しみ方は無限大

私事で恐縮だが、実は以前トリッカーを本気で購入しようと思っていた。メインバイクが大型ネイキッドなので、「小回りが利いて乗りやすいセカンドバイクが欲しいなぁ」という点から、トリッカーが最有力候補に挙がった。そんな経緯から嬉々として今回のインプレッションに臨んだのだが、はたしてトリッカーは、僕の大きな期待をまったく裏切らない楽しさを提供してくれた。まず取り回しについてだが、軽量化された細身のボディは思っている以上に支えやすく、男性なら腕の力だけで前進も後退もさせられるほど。このコンパクトさがシティユース向きと言われる所以で、どんなに細く入り組んだ路地でも難なく切り返すことができる。Uターン時もその安定感は変わらず、慣れれば乗ったまま一車線内でターンすることも可能だろう。

ヤマハ トリッカーの画像

特筆すべきはバランス感覚だ。フロントホイール19インチ、リアホイール16インチ、ホイールベース1,330ミリという車体に空冷・4ストローク・SOHCエンジンという相性はかなりいいようで、実際に乗っていると、エンジンから車体の各所に必要最低限のパワーを送り込まれているのがよく分かる。逆に言えば、どこか一方に過度の力が注がれて別の部分に負荷がいくというようなことがない。確かにストップ&ゴーが多く、入り組んだ都心部を走ることを前提とした場合、スーパースポーツのような直線走行能力は必要ないわけだから、250ccバイクとして十二分にポテンシャルが引き出されていると言える。そしてブレーキングだが、フロントにはピンスライド式異径2ポットキャリパーと220ミリのディスクプレートを、リアにはサブタンク一体型マスターシリンダーを採用。トリッカーから引き出される力を制動するには十分なブレーキで、ボディデザインと同じくコンパクトに収まっていることが全体のスリムさを引き立てている。反面、長距離走行には不向きという点があるが、“遊べるバイク”としての機能性を損なうことなく、ストリートに映える先鋭的なデザインでまとめているという点はトリッカーならでは。街中での使用が多い方であれば、選択肢に入れていい万能型バイクだ。

ヤマハ トリッカーの特徴は次ページにて

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