カワサキ D-TRACKER X
カワサキ D-TRACKER X

カワサキ D-TRACKER X – アグレッシブなスタイルと性能重視のパーツセレクト

掲載日:2009年01月29日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

カワサキ D-TRACKER Xの試乗インプレッション

カワサキ D-TRACKER Xの画像

街を楽しみ尽くすパフォーマンス
ストリートを駆け抜けるスプリンター

DトラッカーXで走りだしてまず感じるのは、車体の軽さとサスペンションのしなやかさだ。129kgという乾燥重量は前モデルより10kgの増量となっているが、取り回しや低速走行時において特にネガティブな要素を感じることはない。全面的にリファインされた前後サスペンションの動きはやわらかく、体重を掛けるとスッと沈み込み適度なコシを感じさせる。路面の凹凸に対する追従性は高く、思いのほか乗り心地も良好だ。しかし、何より秀逸なのはライダーのアクションに対するレスポンスの良さ。ブレーキングやコーナーリングにおいて路面からのトラクションがわかりやすく、恐怖感が少ない。コントロール性と制動力が高められた前後ブレーキとあいまって、自由自在に車体をコントロール可能だ。レバーとステップからの入力に対して忠実に動く車体は、ライダーのスポーツしたい心を充分に満足させてくれる。また、インジェクション採用のエンジンもピックアップが良く、右手の動きにあわせて心地よい反応を楽しませてくれる。惜しむらくは、若干ギアの設定がクロス気味すぎる気がするところ。これだけ気持ちよく吹け上がるエンジンなのだから、もう少しワイドレシオでも良かったように思える。とはいえ、これについてはリアスプロケット交換で簡単に対応できるので、そこまで心配する必要はないかもしれない。

カワサキ D-TRACKER Xの画像

日常におけるDトラッカーXの使い勝手も、意外なほど悪くはない。特筆すべきは燃費のよ良さで、今回の試乗ではリッターあたり26kmの低燃費を達成。存分に高回転域を使用し、東京都内の渋滞路を長時間走行したにもかかわらずこの数値というのは恐れ入る。また、スリムな車体は狭い道でも取り回しが良いし、軽い車体はライダーの負担にならない。シートの硬さはさすがにツーリング向けとはいえないが、普段の街乗りで苦になることはないだろう。DトラッカーXは、ライダーにエキサイティングな楽しみを届けるパフォーマンスと、日常の足にもなる使い易さを両立した1台と言えるのではないだろうか。

こんな方にオススメ

コストパフォーマンス抜群
250ccクラス定番のモタード

個性的なルックスを持つDトラッカーXは、性能については250ccモタードを牽引してきたモデルとして十分なもの。以前のモデルと比較しても、遜色ないパフォーマンスとなっており、スーパーモタードが気になるライダーなら選択肢に入れておいて間違いはない。また、近年価格が高騰している国内販売モデルの中でも、比較的安価な価格設定となっていることも見逃せない。インジェクションの採用や足回りの全面リニューアル、多機能な新メーターのことを考えればバリューフォーマネー。現在ラインナップされている250ccモタードの中でも特にコストパフォーマンスが高いモデルとして、DトラッカーXには注目しておきたいところだ。

総合評価

バイクを操る楽しみを満喫する
等身大のスポーツバイク

長年オフロードバイクに親しんできた筆者にとって、モタードモデルはある意味理想の一つとも言えるバイクだった。軽量なオフロードバイクの車体に、オンロードを楽しむための足回りという組み合わせは、気負わずにバイクを楽しめるからだ。速度域はスーパースポーツに及ばないものの、全身を使ってバイクを走らせる快感は劣らない。今回インプレッションしたDトラッカーXも、やはりバイクを操る楽しみを満喫できるモデルだった。以前のモデルにも乗ったことがあるが、今回のモデルチェンジは更なる進化というにふさわしいもの。数値上はともかく、体感した限りではインジェクション採用のデメリットを感じさせることなく、各部のクオリティアップを実現したメーカーの努力には敬服せざるを得ない。気軽に楽しめるスポーツバイクが欲しいなら、DトラッカーXは間違いのない1台。走ることを全身で楽しめる、等身大のスポーツバイクのお手本とも言える完成度と言えるのではないだろうか。

関連商品はこちらから!

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索