カワサキ D-トラッカー X

掲載日:2011年02月24日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

カワサキ D-トラッカー Xの画像
KAWASAKI D-TRACKER X

より舗装路向けに仕上げられた
元祖国産モタードの2代目

まだこのクラスが、「ターミネーターズ」や「スーパーバイカーズ」と呼ばれていた98年に新登場し、メーカーメイドの国産スーパーモタードとしては元祖とも言える存在として、大人気となったD-トラッカー。08年春、そんな“Dトラ”が、ベースとなったKLX250と同時にフルモデルチェンジされて、この“X”となった。その際に、燃料供給にF.I.を新採用。前後ブレーキのディスクはペタル形状となり、メーターはかなり大型の新作液晶タイプに。スイングアームは新作のD字断面タイプへとチェンジされ、スタイリングも大幅に刷新された。

さらに、かつてのD-トラッカーは、ベースとなったKLX250にただ前後17インチホイールとロードタイヤを履かせたようなモデルだったが、このXには数々の専用装備が与えられている。フロントブレーキは、KLXよりもディスクが大径となり、前後サスペンションのセッティングが専用化されているほか、ハンドル幅の縮小や、エンジンアンダーガードの廃止など、オンロードを意識した装備に。フロントフェンダーやバックミラーのデザインも専用とされている。

エンジン本体や、カワサキの伝統である角型断面スチールパイプ製のペリメターフレームは、基本的には従来型を踏襲している。ただし、吸排気系が変更されたことで、エンジンフィールは以前のモデルとはだいぶ異なる。力強さという点では環境規制前のモデルが優れるが、低中回転域でクルージングしているときの心地よさ、そしてエンジンを高回転域まで回して走る楽しさという点では、Xが上回っている。また、当然ながら各部の仕様が専用化されたことで、コーナリングや制動力は、舗装路にベストマッチされている。ちなみに足まわりは、フロントサスの圧側減衰力と、リアサスの伸圧減衰力およびプリロードが調整できる。

09年春と10年末にカラーバリエーション変更を受けたが、基本的な仕様は08年から11年まで、とくに変わりはない。新車で買うもよし、かつてのお気に入りカラーを中古で購入するのもありだ。

カワサキ D-トラッカー Xのここがポイント!
  • ● KLXとは仕様が異なるハイグレードな足まわり
  • ● クルージングも苦ではないシングルエンジン
  • ● 個性的かつ洗練されたフロントマスク

カワサキ D-トラッカー Xのライバルはこれだ!

  • ヤマハ
    WR250X

    アルミ材とスチール材を組み合わせたフレームに、最高出力31馬力を誇るパワフルなF.I.仕様エンジンを搭載。07年秋に、オフロード車のWR250Rとほぼ同時に登場した。

  • ホンダ
    XR250モタード

    03年春に新登場したが、すでに生産は終了。同じ年にフルモデルチェンジしたXR250をベースとする。エンジンは、キャブレター燃料供給方式の空冷だが、パワフルだ。

  • ヤマハ
    XT250X

    セロー250をベースとしたストリートモデル。親しみやすさを重視しているため、D-トラッカーとは少し方向性が異なるが、同じ時代に新車で買えるということではライバル関係。

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