

掲載日:2008年10月02日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
ツーリングモデルだからといって、楽なだけでは物足りない。ライダーの心をくすぐる熱い何かが無いと満足できない…と、これまでのツアラーで物足りない方に、ステルビオはうってつけだ。ライダーに応えるエンジンと、充実の装備、そして他にはない個性のすべてを備えるバイクとなれば、ステルビオが最右翼。また、豪華な電子制御が少ない分素直な特性となっているので、バイクでスポーツすることを重視するならステルビオは最高の相棒になる可能性がある。街中から高速道路、時にはフラットダートまで、ステージを選ばず走る喜びを提供してくれるはずだ。
今回の試乗では、幸運なことにまっさらな日本導入第一号車に乗る機会に恵まれた。走行50kmに満たない状態で手渡されたステルビオだったが、2日間の試乗が終わるころには積算計の示す数字が800kmを超えてしまうほど、このバイクにすっかりやられてしまった。ステルビオに限ったことではないのかもしれないが、モトグッツィのエンジンは距離が伸びて体になじむほど、ライダーに語りかけてくるのだ。「ここまでは開けて良い」「この開け方は駄目」などと、車体から伝わる情報が豊かで、いくら乗っても飽きがこないし、言ってしまえば止まりたく無くなって来るのだ。とりあえず、と薄手のジャケットで走り出したまでは良かったものの、気が付けば関東をはるか離れて東北の地にいたときは、このバイクに惹きこまれてしまったことを痛感した。長距離を乗せてもらうのでなく、ライダーが能動的に走り、そしてバイクが応えてくれる。快適さという魅惑的な言葉の前に忘れがちなバイクで走ることの根源的な悦びを、ステルビオは教えてくれる。ただ遠くへ、快適に、では味気ない。ステルビオならそこにもうひとつ、ライディングの快楽を加えてくれるだろう。
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