モトグッツィ ステルビオ 1200 4V
モトグッツィ ステルビオ 1200 4V

モトグッツィ ステルビオ 1200 4V – 充実の装備と高いパフォーマンス

掲載日:2008年10月02日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

モトグッツィ ステルビオ 1200 4Vの試乗インプレッション

モトグッツィ ステルビオ 1200 4Vの画像

旅へ誘う快適さと熱い走りを併せ持つ
心揺さぶるアドベンチャー・ツアラー

ツーリングモデルというと、どうしても「穏やかでのんびりとしたもの」と言う印象があるが、ステルビオはそんな既成概念を打ち破る存在だ。威圧するような太く低いアイドリングは迫力があり、軽くアクセルをひねればスポーツモデルにも負けない低音が響き、ライダーの心をくすぐってくれる。ポジションはツアラーらしくアップライトで快適なもの。一見大柄に見える車体だが、絞り込まれたタンク形状により、見た目に比べずっとスリムに感じるほどだ。エンジンは思った以上にコンパクトで、ヘッドの張り出しはタンクから少し顔を出す程度。この新世代のエンジンのパワーは十分なもので、国内の一般道~高速道路なら4,000回転もまわせば速度的には事足りてしまう。同じエンジンを積むグリーゾに比べると中低速域はマイルドな印象だが、高回転に近づくほど荒々しさを見せ始め、おおよそ5,000回転を境にオットーバルボーレ本来のパワーを見せつけてくれる。ただ、クルージングをするなら3,500~4,000回転くらいの回転域が適切と感じるが、パルシブな鼓動感を満喫できるためマイルドとはいっても退屈ということは無い。手に痺れがくることもなく、それでいてゆるやかにライダーを揺さぶるこのテイストはまさにモトグッツィの真骨頂。スムーズでジェントルなエンジンや、パワー溢れる加速感も悪くはないが、旅を共にするなら、パワーと巡航性能だけでなく、ライダーに語りかけるような側面も持つオットーバルボーレエンジンが面白い。適度な防風効果のあるスクリーンとあわせ、疲労感の少ないクルージングを実現している。

モトグッツィ ステルビオ 1200 4Vの画像

また、サスペンションやブレーキは特別な電子機構を持たず、非常に素直な仕上がり。ワインディングなどでは「走らされている」ではなく「自ら走っている」感覚が強く、スポーツネイキッドのようなテイスト。高速道路では突き上げも少なく、穏やかでねばりのある走りを楽しめるが、ライダーのアクション次第でアグレッシブな楽しみ方も可能だ。このクラスのツーリングモデルはライダーを助けるデバイスを多用しがちだが、ステルビオはそれに頼ることなくライダーとの一体感を根本で高めているような印象で、想像以上に熱い走りが楽しめた。ただ、少し不満に感じたのが燃料タンク容量。18リットルなので十分といえるサイズだが、実走行だと燃料警告灯が300kmに満たない時点で点灯してしまう。もっと乗りたくなるツアラーだけに、航続距離がもう少しあればと感じてしまった。しかし、それをおいても、テイストと走りを兼ね備えた魅力的な1台といえる。

モトグッツィ ステルビオ 1200 4Vのオススメポイントは次ページにて

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