

掲載日:2008年07月23日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
XT660Xは水冷4ストローク4バルブ単気筒エンジンを採用。ピストンは耐熱強度に優れた軽量アルミ鍛造製で、エンジン内部はオイル劣化抑制や低フリクションを誇る低圧鋳造シリンダーなどで構成されている。現在多くのバイクで標準装備となりつつあるフューエルインジェクション(FI)は、吸気圧やクランクポジションセンサーはもちろん、計10項目の情報をもとに最適な燃料供給を実現。また、実際に燃料を吹き出すインジェクターには12孔・高ダイナミックレンジ型に圧力変動を抑えるダンパを用いることで、ライダーの感覚に近いエンジンフィーリングと低排出ガスを両立させている。エキゾーストシステムが左右2本出しなので並列2気筒のようなルックスだが、これはミドルクラスながら切れのよい排気音とトルクフルな中低速フィーリングを引き出すため。また、サイレンサーには排ガスを浄化する触媒を内蔵して環境性能を向上させている。
17インチのホイールは衝撃吸収性の高いスポークタイプ。ロードバイクのキャストホイールとは一見して足下から受ける印象が違う。アップフェンダーということもあり、やはりどちらかというとオフロードっぽい雰囲気があるマシンだ。だが専用セッティングが施されたパイオリ製43mm径フロントフォークやリア160幅ラジアルタイヤなど、足周りはオフロードのXT660Rとは別物。同様にブレーキシステムはフロントに放熱性の高い320mm径フローティングマウントディスクに、ブレンボ製対向4ポットキャリパーという豪華なパーツをチョイス。リアもブレンボ製キャリパーを組み合わせるなど、ロードバイク顔負けの装備にXT660Xのパフォーマンスが垣間見える。ミドルクラスのパワーと身軽さ、その気になれば峠を攻めることもできる足周り。アグレッシブな走りを予感させる装備は、このバイクの走りに対する本気度を感じさせてくれる。
エンジンはボア×ストローク100×84mmのビッグシングル。シンプルなSOHC単気筒なので外観からも軽量さがうかがえ、非常に省スペースなのも分かる。FIなので朝夕の冷間時でもボタンひと押しでエンジンに火が入る。
フロントサスペンションは43mm径インナーチューブの正立タイプ。225mmという余裕のあるストローク量を確保している。フロントブレーキキャリパーはブレンボ製対向4ポット、ブレーキディスクは320mm径の大径フローティングマウントを採用している。
スモークタイプのウインドシールドとマルチリフレクター採用のH4バルブのヘッドライトを持つヘッドライトカウル、モタードイメージを際立たせるソリッドなデザイン。クリアウインカーレンズがユーロモデルらしさを感じさせるアクセントとなっている。
左右二本出しのエキゾーストシステムは、リヤフェンダーサイドまで引き上げてからコンパクトにまとめられている。タンデムライド用のシートグラブが有機的なラインで、同じく両サイドに設けられている。荷掛けフックを使えばデイパックの固定にも使えそうだ。
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