掲載日:2012年11月19日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
30年以上の歴史を持つビッグオフローダーのブランドとして知られる、ドイツBMWのGS(ゲレンデ・シュポルト)シリーズに、日本では2012年6月に追加されたのが、末弟となるG650GS。1994年から10数年続いた先代F650系に使われていた水冷単気筒エンジンが復活採用され、BMWとしては廉価に抑えられた、マルチパーパス系のミドルツアラーだ。そして同年(2012年)8月末、この派生モデルとして、よりオフロード走行向きに仕上げられたバージョンが追加された。それがこのG650GSセルタオだ。
セルタオとスタンダードの主な違いは、足まわりと外装パーツ関係。まず前後ホイールは、スタンダードが前後19/17インチ径のアルミキャストタイプを装着するのに対し、セルタオは前後21/17インチ径のスポークタイプをチョイス。これにより、オフロードでの走行安定性向上を図り、同時にオフロード向きリプレイスタイヤの選択を容易にしている。またサスペンショントラベル量が40mmほど増され、オフロード走行時の衝撃吸収性や快適性がアップ。これらの変更に合わせて、フロントのアンダーフェンダーは廃止され、アッパーフェンダーはカバー範囲が延長されている。さらに、ロングタイプでラリーイメージのウインドシールドを専用装備。ハンドガードとアルミ製エンジンアンダーガードも追加されている。
なお、搭載される排気量652ccの水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは、セルタオとスタンダードで共通化されている。オーストリアのロータックス社が基本設計し、これにBMWがシリンダーヘッドの仕様変更などを施した開発背景があるこのエンジンは、潤滑がドライサンプ式で、点火はツインスパーク式。最高出力48馬力を6,500回転で発生する。燃料はレギュラーガソリン指定で、90km/h定地走行時の燃料消費率は31.2km/Lと、コストパフォーマンスに優れるのも魅力だ。さらに、メイン部にスチール製ブリッジパイプを採用したフレームも、両モデルで共通。そして日本仕様の場合、スタンダード同様にセルタオも、スイッチ操作によりON/OFFが選択できるABSと、グリップヒーターを標準装備している。また、スタンダードではローダウンサスペンション仕様が用意されるのに対し、セルタオはシート高が標準の860mmよりも40mmアップする、オフロードでの操縦性を重視したハイシートがオプション設定されている。セルタオの車重は196kgと、ビッグオフロードとしては軽め。エントリービッグオフとしても、注目を集めている。
海外向けのモデルで、鋼管フレームに660cc水冷単気筒OHC4バルブエンジンを搭載。前後21/17インチ径のスポークホイールを履く。前サスは、ストローク量を確保した正立式。
北米や豪州などに向けたビッグオフローダー。スチール製フレームに搭載されるのは、排気量651ccの水冷単気筒エンジン。前後21/17インチ径のスポークホイールだ。
G650GSセルタオのベースとなったモデル。セルタオに比べてオンロード寄りだが、価格はセルタオより約14万円も低く、ユーザーの用途によっては迷うところだろう。
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