掲載日:2012年12月03日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
イタリアのベータ社は、1904年に設立され、1940年に原動機付自転車用のエンジン、第二次世界大戦後の1948年にはオフロードバイクの生産を開始した。そして1980年代以降、トライアルの世界選手権で何度もチャンピオンに。このため、ベータをトライアル専門のブランドと認識しているライダーもいるようだが、実際にはエンデューロシーンなどでも多く活躍しており、オフロードのスペシャルブランドというほうが正しい。そんなベータの、本格設計ながら気軽さもある原付二種クラスのオフロードモデルが、RR4T 125LCだ。
エンジンは、欧州のヤマハから供給を受けた、排気量124.6ccの水冷4ストローク単気筒。ボア×ストロークは52.0×58.6mmとややロングストロークな設計で、燃料供給はキャブレター方式、始動はセル式となっている。これらを搭載するフレームは、スチール製のダブルクレードル構造。前後21/18インチ径のスポークホイールを履いたフルサイズ設計で、フロント倒立フォークやアルミ製スイングアーム、260/220mm径の前後ディスクブレーキを備える。最低地上高は330mmが確保され、そのぶんシート高も917mmと高め。燃料タンクのすぐ後方に座れるような、レーサーに近い設計がされている。ちなみに乾燥重量は、105kgと発表されている。
気軽に乗れる公道仕様のエンジンを使うが、一方で車体の設計はかなり本格的で、オフロードでの走破性に優れる。そんな幅広さがRR4T 125LCの魅力。日本では、維持費の安さが光る原付二種クラスに位置するため、セカンドバイクとして所有するのもお薦めである。ウィンカーやミラーはリーガルキット付属というかたちで付いてくるが、輸入元によれば配線などはすべて済んでいるので、取り付けに特別難しい事はないという話だ。