掲載日:2012年10月29日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
ドイツのBMWが手がけるGS(ゲレンデ・シュポルト)シリーズは、30年以上の歴史を持つビッグオフロードカテゴリーのシリーズ。欧州では2008年、日本では翌年から販売が開始されたF800GSは、2012年秋現在ではその上から2番目のモデルということになる。日本仕様は2012年10月に、ABSの標準装備化をはじめとする走行性能の向上や、スタイリングの小変更などが図られた。
エンジンは、ロードスポーツのF800S/STから使用が開始された、オーストリアのロータックス社製が手がけた798cc水冷並列2気筒。同系エンジンを搭載するF700GS(こちらも2012年10月に、先代のF650GSから刷新されて登場した)とは、カムシャフトやECUなどが異なり、ひとまわりパワフル。85馬力を発揮するのは、従来型と同様だ。性格は、オフロードでの使用を考慮して、やや低中回転域を重視した仕様になっている。フレームはスチール製チューブラータイプ。BMWでは、独自のフロントフォーク機構を採用する機種も多いが、F800GSではオーソドックスなテレスコピック式を選択。さらに、アルミキャスト製のスイングアームは両持ち式で、後輪駆動はチェーン方式と、全体的に一般的なバイクと同じような設計が施されている。ホイールは、オフロード走行を意識してスポークタイプ。前後径は21/17インチをチョイスしている。ブレーキは、フロントがダブルの前後ディスク式。従来型は、上級版となるハイラインのみABSを標準装備していたが、2012年10月以降のモデルは、新世代の2チャンネルABSが全車標準装備となった。この機構は、ハンドルスイッチひとつでON/OFFが切り替えられる。
また今回の小変更では、フロントセクションを中心にデザインが刷新され、燃料タンクの装飾やインテークブーツ、上部のマッドガード、ウインドシールドなどが一新。メーターも新作で、より多くの情報が表示できるようになった。そして、10万5,000円の工場オプションとして、電子制御サスペンションのESAとトラクションコントロール機構のASCのセットが新設定された。ESAにより、リアサスペンションのダンピング特性を3タイプから簡単に調整可能。ASCは、スイッチ操作ひとつでカットすることもできる。さらに、センタースタンドは装備できないが、標準の880mmよりもシート高が60mm低減するローダウン仕様が、車両価格据え置きで用意されている。人気機種ということもあり、中古車は数が少なく高値安定。思い切って、進化した2013年版を新車購入するのもお薦めだ。
2011年型で新登場した、トライアンフらしい並列3気筒エンジンを搭載するアドベンチャーツアラー。ABS仕様も選択可能。打倒F800GSを公言するタフネスモデルだ。
欧州で販売が続くミドルクラスの冒険ツアラー。1987年型の583ccから、2000年型で647cc、2008年型で680ccに排気量が拡大された、水冷Vツインエンジンを搭載している。
2012年10月に先代650から刷新。ABSも標準装備した。800よりオンロードを重視。出力が抑えられた798cc並列2気筒エンジンを積み、前後19/17インチキャストホイールを履く。
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