掲載日:2010年07月09日 特集記事 › カワサキKLX125 オフロード全方位試乗
2010年3月6日発行 月刊ガルル No.288より記事提供
KLX125、XR230、セロー250。 メーカーも排気量もバラバラのこの3台。共通しているのは足着き性のよさ。PART1ではこの3台を石井、堀田の両氏がシチュエーション別に比較試乗。KLX125のトレール性能をあぶり出していく
全方位チェック最初のシチュエーションはオンロード。ナンバー付きトレールバイクにとって、もっとも走る割合が多い場所でもある。排気量の差が走りの差になっているのか?それが使い勝手を左右するのか?市街地を走り込むことで考えてみた。
KLXとセロー。その排気量差は2倍、最高出力はKLXが10ps、セローとXRが18psとなっている。オンロードで比較した場合、その差はあるのだろうか? 石井「ある。セローがいちばんパワーがあって速い。でも、KLXも八イギヤードになっていて、思っていた以上に走ってくれた」 堀田「4スト125は走らないという昔のイメージがまったくないですね。流れに乗って走っていると、本当に『普通』に走ります。思いきり加速しない限り、スペックほどの差をぼくは感じませんでした」 |
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石井「タイヤ径の小ささが、パワーの少なさをカバーしてくれているんだ。フルサイズじゃなくて正解だと思うよ」
堀田「ただ、シグナルダッシュではちょっとタルさを感じました。インジェクションのおかげでエンジンは低回転からスムーズに回るんですけど、いちばん下のトルクが立ち上がってこないんです」
石井「そこが排気量の差だよね。セローやXRと比べると違いは八ッキリするけれど、4スト125と思って乗っていれば全然気にならない。いちばん下のレスポンスにトロさを感じるけれど、かなり走るバイクに仕上がっているよ。それより、いつもは小さく感じるセローが大きく感じられた」
堀田「でも、KLXのポジションに窮屈さは感じなかったです」
石井「よくできているよね。実際は小さいのに、小さいバイクに乗ってるという窮屈さがない」
堀田「大きすぎず小さすぎないというバランスではXRも好印象でした。低速トルクが太くて、低中速域でのレスポンスがよかった。急加速や急な車線変更でもマシンがクイックに動いてくれて、すごく乗りやすかったです。ただ、高回転の伸びがもうひとつに感じました」
石井「セローは低速もあるのに高速も伸びる。市街地で速くて、高速道路も楽。排気量が大きくなったということもあるけど、ワンランク上のマシンになった感じがする」
堀田「そう思います。ぼくはセロー225に乗っているんですけど、セロー250は別物ですね。高速道路の快適さが全然違います。でも、時間を気にせず、のんびりと旅を楽しむならKLXも魅力的です。高速道路に乗れないことが、いい割り切りになっていると思うんです」
石井「まだまだ若いねぇ(笑)。KLXは軽くて取り回しは楽だけど、止まったり走ったりが続くと辛さを感じる。毎回高回転まで回さないとならないから、長距離はパスしたいな」
堀田「XRも疲れてきた時に、レスポンスのよさがギクシャク感になることがありました。ラフな操作をしてもマイルドさがあるKLXは、低中速域が扱いやすく、シティコミューターとしても使いやすいと思いました」
石井「押し引きに気を使わないから、ストレスを感じないのもいい。スクーターは嫌いだけど、ロードバイクは重くて嫌、なんていうおれみたいなヤツに最適な1台だね」
堀田「KLXには走らないイメージがないことに本当に驚きました」
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