トリコロールカラーの新型アフリカツインを見ていると、同じくHondaコレクションホールに保存されている歴代アドベンチャーモデルとの相似が連想される。新型アフリカツインには、歴代アドベンチャーモデルの伝統を現代的に進化させたツーリング性能が秘められているはずだ。
1985 XL600R ファラオ
ファラオラリーイメージの限定車

シリンダーヘッドにはRFVC(放射状4バルブ方式燃焼室)を採用し、キャブレターはデュアル仕様。低中速域でパワフルかつフラットなトルク特性を実現している。パリダカ前哨戦として開催されていたファラオラリーをイメージし、28Lビッグタンクと35w/35w×2のデュアルハロゲンヘッドライトを装着。セル・キック併用式で、リヤタイヤはチューブレスとするなど、快適なロングツーリングモデル。300台限定。
1985 XL600R ファラオ 主要諸元
- 全長×全幅×全高
- 2205×865×1195mm
- ホイールベース
- 1445mm
- 最低地上高
- 250mm
- シート高
- 880mm
- 車両重量
- 182kg
- 総排気量
- 591cm3
- エンジン型式
- 空冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
- ボア×ストローク
- 97.0×80.0mm
- 最高出力
- 42PS/6500rpm
- 最大トルク
- 4.8kg-m/6000rpm
- 燃料タンク
- 容量28L
- 変速機形式
- 5速リターン
- Fタイヤサイズ
- 3.00-21 4PR
- Rタイヤサイズ
- 5.10-17 4PR
1987 トランザルプ600V
NXR750のノウハウを受け継ぐ

NXR750で得たノウハウをフィードバックした52V型2気筒エンジンには、2連キャブレター、ツインスパークが組み合わせられ、低中速トルクを重視している。サスストロークはフロント200mm、リヤ190mmで、オフロード走破性も確保していた。また車体には大型フェアリングを装着し、高速移動時の疲労を軽減。初代アフリカツインに先駆けて300台限定で発売されたのだ。
トランザルプ600V 主要諸元
- 全長×全幅×全高
- 2265×875×1275mm
- ホイールベース
- 1505mm
- 最低地上高
- 220mm
- シート高
- 850mm
- 車両重量
- 197kg
- 総排気量
- 583cm3
- エンジン型式
- 水冷4ストロークOHC3バルブV型2気筒
- ボア×ストローク
- 75.0×66.0mm
- 最高出力
- 52PS/8000rpm
- 最大トルク
- 5.4kg-m/6000rpm
- 燃料タンク容量
- 18L
- 変速機形式
- 5速リターン
- Fタイヤサイズ
- 90/90-21 54S
- Rタイヤサイズ
- 130/80-17 65S
1988 NX650S ドミネーター
シングルエンジンの海外輸出専用モデル

レーサーXR600Rをベースとしたエンジンは、圧縮比を下げてマイルドな特性としつつ、排気量を644ccまで拡大。セルスターターを搭載し、使い勝手が高められている。またコンパクトながら整流効果のあるフェアリングも装備し、快適な高速走行を実現。サスストロークはフロント220mm、リヤ195mmを確保し、石畳や林道での走破性も考慮されていたビッグシングルのディアルパーパスモデル。
NX650Sドミネーター 主要諸元
- 全長×全幅×全高
- NA
- ホイールベース
- NA
- 最低地上高
- NA
- シート高
- NA
- 車両重量
- 152kg
- 総排気量
- 644cm3
- エンジン型式
- 空冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
- ボア×ストローク
- NA
- 最高出力
- 43.5PS/6000rpm
- 最大トルク
- 5.7kg-m/5000rpm
- 燃料タンク容量
- NA
- 変速機形式
- NA
- Fタイヤサイズ
- 90/90-21 54S
- Rタイヤサイズ
- 120/90-17 64S
1989 XRV650 アフリカツイン
パリダカレプリカの初代アフリカツイン

トランザルプ600Vをベースに排気量を647ccまで拡大。ホンダ独自の位相クランクはバランサーなしでもエンジン振動が低減されていた。さらに3バルブ2スパークは大型エアクリーナー、高効率マフラーとあいまって、低中速域でのトルク特性が増強されている。大型フェアリング、アルミアンダーガードなどを装備し、トランザルプよりもNXRレプリカイメージを色濃くしているのが特徴だ。
XRV650アフリカツイン 主要諸元
- 全長×全幅×全高
- 2310×900×1320mm
- ホイールベース
- 1550mm
- 最低地上高
- 200mm
- シート高
- 880mm
- 車両重量
- 221kg
- 総排気量
- 647cm3
- エンジン型式
- 水冷4ストロークOHC3バルブV型2気筒
- ボア×ストローク
- 79.0×66.0mm
- 最高出力
- 52PS/7500rpm
- 最大トルク
- 5.7kg-m/6000rpm
- 燃料タンク容量
- 24L
- 変速機形式
- 5速リターン
- Fタイヤサイズ
- 90/90-21 54S
- Rタイヤサイズ
- 130/90-17 68S
1991 トランザルプ400V
国内向けの中型ツアラー

トランザルプ600Vのボア・ストロークともにダウンサイジングし、中型免許で乗れるように開発された。低回転域のトルクの粘りは薄れたが、常用回転域で扱いやすく、Vツインらしい鼓動感も楽しめる。リヤブレーキはディスクを採用し、高い防風性の大型フェアリングも装備。アルプス越えの名に恥じないロングツーリングモデルに仕上がっていた。94年によりシャープなスタイリングとなった。
トランザルプ400V 主要諸元
- 全長×全幅×全高
- 2265×875×1310mm
- ホイールベース
- 1510mm
- 最低地上高
- 195mm
- シート高
- 850mm
- 車両重量
- 201kg
- 総排気量
- 398cm3
- エンジン型式
- 水冷4ストロークOHC3バルブV型2気筒
- ボア×ストローク
- 64.0×62.0mm
- 最高出力
- 37PS/8500rpm
- 最大トルク
- 3.5kg-m/6500rpm
- 燃料タンク容量
- 18L
- 変速機形式
- 5速リターン
- Fタイヤサイズ
- 90/90-21 54S
- Rタイヤサイズ
- 130/80-17 65S
1993 XRV750 アフリカツイン
フルモデルチェンジした2代目750モデル

1990年に742ccへと排気量アップし、フェアリングを大型化。さらに1992年には多機能デジタルトリップメーターを搭載。ロングツーリングモデルとしての完成度を高めていったアフリカツイン。そして1993年は新設計の角型断面セミダブルクレードルフレームを採用し、外装パーツも一新。フロントのサスストロークも210mmから220mmへと延長し、オフロード走破性を向上している。
XRV750アフリカツイン 主要諸元
- 全長×全幅×全高
- 2320×905×1430mm
- ホイールベース
- 1555mm
- 最低地上高
- 195mm
- シート高
- 865mm
- 車両重量
- 234kg
- 総排気量
- 742cm3
- エンジン型式
- 水冷4ストロークOHC3バルブV型2気筒
- ボア×ストローク
- 81.0×72.0mm
- 最高出力
- 57PS/7500rpm
- 最大トルク
- 6.1kg-m/6000rpm
- 燃料タンク容量
- 23L
- 変速機形式
- 5速リターン
- Fタイヤサイズ
- 90/90-21 54H
- Rタイヤサイズ
- 140/80R17 69H