ダンロップ『OFFROAD STATION 2012』

掲載日:2012年12月06日 エクストリームモトクロス    

写真・文/ダートライド編集部 取材協力/住友ゴム工業株式会社

ダンロップ『OFFROAD STATION 2012』 2013年新製品も発表されたオフロードタイヤ体験試乗会

2009年から新登場したGEOMAXシリーズ
その実力は想像を遥かに超えていた

2012年11月17日(土)、埼玉県にあるモトクロスコース、オフロードヴィレッジでダンロップによるオフロードタイヤ体験試乗イベント、“OFFROAD STATION 2012”が開催されました。

 

本イベントはダンロップの最新オフロードタイヤを誰でも無料で試せるもので、そのタイヤはもちろん新品ばかり。しかも、交換はダンロップのタイヤサービスマンによる無料作業。参加しない手はありません。

 

当日は朝9時過ぎから雨、という前日の天気予報があったものの、蓋を開けてみればお昼過ぎまで雨はなく、ラッキーなコンディション。不安な予報にもめげず、コースへやって来たライダーだけが、この素晴らしいイベントの恩恵を受けられました。コースがオープンしてからすぐにダンロップテントには多くのライダーが訪れ、それぞれが思い思いのタイヤをチョイス。次々にコースへと飛び出して行き、その実力を思う存分楽んでいました。

大量に用意されたタイヤ。これらはすべて、一般ユーザー向けに準備されたものです。驚きの量ですね。

大量に用意されたタイヤ。これらはすべて、一般ユーザー向けに準備されたものです。驚きの量ですね。

悪天候の予報が出ていた寒空でしたが、それにも負けじと訪れた熱心なユーザーが受付を済ませます。

悪天候の予報が出ていた寒空でしたが、それにも負けじと訪れた熱心なユーザーが受付を済ませます。

 

プレス向けイベントも併行して行われ、一般ライダーとは別に設けられたダンロップブースに集合。まずは2012年のモトクロスタイヤ販売動向などについて、プレゼンテーションを拝聴。従来のD739などから切り替わったGEOMAX発売以降、その動向に大きな変化はないものの日本市場では新規の需要を創出するのが急務、というのがダンロップの認識。ただ、欧州では世界選手権に2011年から参入した事によりシェアが大幅に拡大し、こちらではさらなる拡販を目標にする、との事でした。また、メーカー新車状態の装着率の説明では、多くのモデルでミディアム路面に適したMX51が採用され、そのポテンシャルの高さと信頼性を実証する結果になりました。今後は、各社エンデューロコンペモデルに採用率を拡大していく、との事でした。

 

ひと通りの動向説明などが行われた後、2012年に登場した新製品、MX11(マッド・サンド路面向け)とMX51FA(ミディアム路面向けフロント)、公道走行可能なエンデューロ用タイヤ D909の商品解説が改めて行われ、最後に開発に携わった2人の日本人ライダーと共に、2013年に発売を予定している2種類のタイヤが発表されました。

 

モデルは、2012年シーズンを通してテストを実施し、パターンなどを決定したMX71A(ハード路面向け/リア)と、公道走行不可のエンデューロ用であるAT81。どちらも今回は初お披露目という事で、正式なリリースや発売日はこれから決定になりますが、気になるサイズだけお知らせしておきます。

 

MX71A リア2サイズ:120/80-19 63M、110/90-19 62M

AT81F/AT81 フロント1サイズ:90/90-21 54M

リア3サイズ:120/90-21 54M、110/100-18 64M、110/90-18 61M

 

プレス向けにはその後お昼まで試乗の時間が提供され、この日のコンディションに合わせ、MX51を前後に履いたマシンが複数台用意されました。筆者は3年ぶりのモトクロス、4年ぶりのオフロードヴィレッジ、という事もあり尻込み気味でしたが、せっかくなのでセル付き車両を2台借りて、初めてのGEOMAXを体験してみました。乗って驚いたのが、先代D739などと較べ、タイヤの諸性能がとても高く、足元にまったく神経を払わずに走れる、という点です。この日、路面は全体的にウェットで重くまとわりつく泥と深い轍が多く、ハードパック(硬い路面)でスリッピーではない代わりに、ライン取りとアクセルワークに注意が必要なコンディション。しかしそういった事にまったく神経が持っていかれず、前だけに集中して走れる、素晴らしいポテンシャルを持ったタイヤでした。

 

この感想を試乗後に開発スタッフに素直に伝えたところ、「D739の頃と較べ、格段に進化しています。ヨーロッパに進出した事もあり、多くのライダーから多様な注文を受けた結果です」とのお答え。しかし、意見が多いからといって、それを結実して製品にフィードバックするのは並大抵の事ではありません。多様な意見をしっかり噛み砕き、それを製品化出来る確かな技術力が成し得た証です。GEOMAXシリーズはひと世代前のタイヤとは一線を画す性能を持っている、と断言できる試乗会でした。公道も走れるD909でもこのポテンシャルを体感できるので、ナンバー付き車両のオーナーもぜひ体感してみてください。その素晴らしさに驚くはずです。ちなみに、この日、3回も転倒したのですが、これはすべてライダーの技量によるものです。何せあまりに久しぶりのモトクロスに、乗り慣れないフルサイズマシン(プライベートではラージホイールに乗っています)、ネチョネチョのコンディションと重なって、もうたいへん。逆に3回で済んだのは本当、タイヤのおかげです。

プレス用プレゼンテーション。左奥には何やら気になる布で覆われた商品が見えます。

プレス用プレゼンテーション。左奥には何やら気になる布で覆われた商品が見えます。

この日、先行発表された2013年の新商品、MX71AとAT81です。

この日、先行発表された2013年の新商品、MX71AとAT81です。

開発に携わった、エンデューロライダー鈴木健二選手(ヤマハ)とモトクロスライダー成田亮選手(ホンダ)。

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