第11回 カワサキW650ボアアップ【完成後のセッティング編】

掲載日:2015年07月17日 週刊メンテナンス講座    

記事提供/モトメンテナンス編集部(※この記事はモトメンテナンス102号に掲載された内容を再編集したものです)
取材協力/NAG SED

カワサキW650ボアアップの画像

カワサキW650ボアアップの画像

ボアアップ後に気になった箇所を
ひとつずつ検証してセッティング

ナグSEDの永治さんによれば、ボアアップによるナグバルブの効果減少の原因は、ブリーザー容量の不足だという。そこで、ブリーザーの入る右側ボックスの改造を行なった。

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いくらバルブ容量を上げたところで、その先のブリーザー通路が狭ければ、クランクケース内圧は効率良く排出できないのだ。加工のため、右エアボックスを分割する。

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エアボックスのブリーザー入り口すぐのところには、消音のためと思われるゴム部品が装着されていて、ブリーザー入り口が思いっきり絞られていた!! ビス一つですぐに外せる。

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ナグバルブ非装着車は、ブリーザー通路を拡大したところで、ボックス側からクランクケースに戻る量も増えるので逆効果。ナグバルブ装着車は是非とも試してもらいたい。

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さらにエアボックスのブリーザー入り口を見てみると随分と肉厚なパイプである。内径は6mmだが、さらにドリルで拡大してクランクケース内圧排出量を増やせそうだ。

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そこで、10mmのドリルで拡大してみることにした。樹脂製なので簡単にドリルは通るが、径を拡大しすぎてパイプの耐久性がなくなっては悲しいので、10mm程度が妥当な気がする。

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大きな通路を確保することができた。一方エア吸入口に関しては、小さければ、ボックス内が大気圧よりも低圧になることで、ケース内圧の排出が促される面もあるそうだ。

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ボックスを分割した機会に吸気経路の障害となっていた壁を取り去った。これでより800ccに見合った吸入空気が確保できるはずだ。改造はすべて右側ボックスのみで完結する。

実走前のキャブセッティング

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ポッシュフェイスのテスト車両は、ノーセッティングの場合、エキパイが赤く焼けるほど、薄い症状が出たと言うことなので、セッティングは実走前に必ず行ないたい。

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テスト走行を繰り返し、セッティングを行なった。ここで紹介するW650はエアボックス加工済、集合マフラー装着車なので、仕様によってセッティングが変わる可能性もある。

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実走フィールとプラグの焼けを参考にした結果、メインは純正♯118から♯125、パイロットジェットが♯35から♯38となった。4バルブ車なので、プラグが少し白いぐらいの方が調子が良い。

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ポッシュフェイスから発売されているクリップ式ニードルに変更。ラインナップの中のリッチタイプに変更。価格はセットで6,000円(税別)。クリップは一番下になった。

必ず行いたい点火系セッティング

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ASウオタニのフルパワーキットの利点はパワーアップだけでなく、点火時期やレブリミットの設定ができるメリットも大きい。ボアアップにより圧縮が高まったため、点火時期を遅らせてみた。

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実走セッティングの際はプラグを新調すると焼け色が見やすく、濃い、薄いの判断がしやすい。ASウオタニによって火花パワーが強力になるため、プラグギャップを1.2mmに広げてから装着する。

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以前エアボックス加工をした時にニードルをリッチに変更していたのだが、ノーセッティングの状態で走行してみると、少し危険なほどプラグが白かった。必ずセッティングを行ないたい。

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