掲載日:2017年06月16日 メンテナンス
※この記事は『モトメンテナンス vol.132』に掲載された内容を再編集したものです
シャフトに圧入されたギアやカラーを引き抜く際に、ドライバーやたがねで叩き出そうとして斜めになると、ギアがシャフトに食い込んで傷をつける原因になる。こんな時に180度対角の位置に爪を掛けて平行に引き上げるギアプーラーがあると効率よく作業が進む。
キックペダルやシフトペダルなど、ボルトですり割りを締め付けて固定する部品を取り外す際に、すり割り部分にマイナスドライバーを差し込んでこじることがあるが、どんな場面でもギアプーラーがあればスプラインが刻まれたシャフトやペダル本体を傷めることなく、シャフトに沿って真っ直ぐ引き抜くことができる。ギアを抜くのはもちろん、それ以外の用途でも使えるギアプーラーは、分解用工具として重宝するアイテムのひとつである。
差し替え式ビットドライバーは軸部分が長く、先端に短いビットを組み合わせるのが一般的だ。このドライバーはビットホルダーの向きで、きつく締まったビスを緩める際に力を加えやすいT型形状と、手のひらの中で早回しするのに便利なストレート型形状に使い分けられるが、7本のビットがすべて長めの 125mmに設定されているのが特徴だ。
ビットを長めにすることで、差し替えドライバー特有の軸部先端のボリューム感をなくすことができ、狭い場所でも通常のドライバーと同じように使える。プラスとマイナス、ヘックスビットなど、普段のメンテナンスでも使えるのはもちろん、車載工具として使えばドライバーラインナップの充実化を図ることができる。
本体は炭層鋼+PP+TPEで、軸部はT型、ストレート型形状で軽くロックがかかる。本体と7本のビットは専用のナイロンケースに入るから収納にも便利。ドライバーメーカーの製品なのでビット先端の精度も高い。
ビットはプラス#1×#3、マイナス6mm×プラス#2、トルクス T25×T20 、トルクス T27×T30 、ヘックス4、5、6(ヘックスはストレート×ボールポイント)の7本組で、全長はすべて 125mmだ。
トルクを加えたい時はT型形状として押しつけることで、カムアウトを防止できる。
ストレート型形状なら通常のドライバーとして使える。ホルダーのガタも少なく快適。
多くの場面で大は小を兼ねるが、場合によっては適度に小さいから使いやすいこともある。固着した部品を外す際に使うハンマーもそうで、軽い力で叩けば済むところを大きなハンマーを用いることで、相手にダメージを与えてしまうことがある。具体的には、低圧入で固定されたフロートピンをピンポンチで抜く際に大きなハンマーで叩くと、衝撃でフロートの足が折れることがある。
このようなときは、質量の小さなハンマーで地道に叩くのが効果的なのだ。この製品は全長180mmでヘッドの打撃面がφ12mmとコンパクトで軽く、しかしながら芯材に鋼を用いることで木柄に比べて3倍の耐久性と確実な打撃力を確保している。
芯材に鋼材を使いながら、外側は耐衝撃性プラスチックで一体成型とすることでヘッド部分の抜けを防止する。ヘッドが軽いため叩く際に的が絞りやすい。鉄とナイロンのヘッドはねじ込み式で、摩耗したら交換可能。
キャブのフロートピンは貫通穴に フリーで挿入されているものあ るが、2本の足の一方に軽く圧 入されているものもある。この 場合は抜ける方向は一方なので、 よく観察して叩き抜く。
圧入されたギアやカラーの下側に爪を滑り込ませて、シャフト端部に当てたセンターボルトを締め込むことで徐々に引き上げるギアプーラー。ギアの直径によって複数の本体サイズが用意されている場合があり、unit製プーラーは対象物サイズが 20~40mmに対応する「70mm」と、20~55mmに対応する「100mm」タイプがある。ギアだけでなく固着したキックペダルやチェンジペダルを抜くのに便利で、旧車の分解作業でも使える。
70mmサイズは本体フレーム幅67×高さ100×奥行き33mmで、スライドする爪部分の内幅は 20~40mmに対応する。爪が開かないよう、中央部分には締め付けテンションを加えるボルトが備わっている。100mmタイプは税込1,620円だ。
キックペダルやチェンジペダルを外す際、ドライバーで無理矢理すり割りを広げると部品にダメージを与える可能性がある。プーラーで引き上げればそうした心配は無用だ。
スタビータイプのドライバーと同様に、長いグリップが付いたラチェットハンドルが使えないほどスペースが少ない場所でも使えるように開発されたのがグリップタイプのラチェットだ。
外径は握りやすいように5角形にデザインされており、振り角5°でラチェット機能が使える72枚ギアを採用、プッシュリリース機構により作業中のソケット外れを防止。カウルや外装パーツなど、締め付けトルクが強すぎないボルトやビスの着脱作業に適している。
組み合わせるソケットによって狭いスペースでも使い勝手は良好だが、締め付けトルクが強いボルトナットを緩める際は力を加えづらいこともある。適材適所で工具を使い分けよう。
外径は直径 45mmで 3/8インチのソケット差込部を除く厚さは 9.5mm( 全高は33mm)という薄さの中に72枚ギアを内蔵。握りやすいよう5カ所に窪みが設けられている。手の平に余裕で収まるサイズが魅力だ。
振ると楽器のマラカスのような音がするショックレスハンマーは、ヘッド内部に詰められた鋼球が移動することで強く叩いても手に響かず、打撃力が強いのが特徴である。
固着した金属部品を分解する際に鉄ハンマーで叩くと相手に傷を付けることもあるが、ショックレスハンマーは表面が樹脂でコーティングされているためそうした心配もない。ラインナップとして全長が異なる複数の製品が用意されている。
写真は全長270mmで、バイクブロスでは他に全長300mm(税込1,520円)と340mm(税込1,884円)も販売している。同じサイズの鉄ハンマーほど重くないが、打撃力は十分。
中身の詰まった通常のハンマーは、 叩いた反動で跳ね返されるが、 ショックレスハンマーは当たった瞬 間「ドンッ!」と止まる。その分 打撃力が逃げず、効率的に力を 伝達できる。
オイルやグリスで汚れた部品を洗浄する際に、スプレータイプのパーツクリーナーよりもバケットに入れた灯油や洗油、水溶性の洗浄剤などを用いた方が経済的。本格的な洗浄台として循環ポンプを備えた自立タイプもあるが、この製品は作業台の上にも簡単に置けるコンパクトさが特徴だ。
円筒状のタンク容量は2リットルで、通常は1リットルの液剤を入れてパーツを洗浄する。汚れを分離する中敷きと、可燃性の溶液に引火した際に強制的に上蓋を閉じる安全装置も付いている。
ドラム状の本体は直径200×高さ80mmで、使わない時は洗浄液を入れたまま保管しておける。もっと大きい方が使い勝手が良いという意見もあるだろうが、置き場所に困るというユーザーには持ってこいのサイズだ。
汚れで濁った洗浄液の中に部品を落としても、 中敷きを引き上げれば回収できる。2枚の板を 合わせた安全装置(銅色の部品)は、熱が加わる と剥がれて、スプリングの力で蓋が閉じる。
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