バイクの正しい保管方法/番外編 バイクの正しい再起動法

掲載日:2018年06月12日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部  記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.128号付録・オートバイのメンテナンスをはじめる本 Vol.3』に掲載された内容を再編集したものです。

長期保管後は目覚めのメンテを実施!!
運行前の点検をしっかりしてから走り出そう

しばらく乗ってなかったバイクに再び乗る際はバッテリーを新品にしてエンジンがかかればそれでOKというわけにはいかない。

全く乗っていなくてもタイヤの空気は減っているはずだし、潤滑が必要な部分のグリス分が飛んでしまっている可能性が高い。たとえエンジンが好調だったとしても、そのまま走りだしてしまうのは非常に危険なのだ。

また、乗らない期間が2年以上になる場合は、消耗品も無条件にリフレッシュした方が良いだろう。さらに保管期間が延びればもっと踏み込んだメンテナンスが必要だ。何十年もエンジンをかけなければ、シリンダー内に錆が発生していることも考えられるので、いくら見た目が綺麗でもレストアに近いレベルの作業が必要になるだろう。

バイクは走らなくても時間の経過で劣化進行していくことを忘れないようにしたい。

エンジン始動したら電気系統を一通り確認する。ヘッドライトは点灯するか、ハイロー切り替えは正常か、ウインカーの点滅は正常か、ホーンは鳴るか、ストップ&テールライトは正常に点灯するかどうかをチェックする。バルブ類の点灯不良があるなら、球切れ、スイッチ接点のチェックを行おう。

タイヤの空気は乗らなくても自然に減っていくので、保管後は走り出す前に必ず空気圧をチェックしてみよう。タイヤのサイドウォールやバルブのゴム部分にクラックが入っている場合はやがてエア漏れに繋がるので早めの交換が必要だ。また、クラックが無くても2年くらい経ったタイヤは硬化が始まるので、交換目安となる。

チェーンの油分が落ちてしまっている場合は、問答無用でグリスアップが必要となる。また、グリスは古くなると潤滑性が低下するので、走り出す前に新たにクリーンナップ&グリスアップを行いたい。シールチェーンはゴムシールが劣化し、走行時の遠心力で破断して飛んでいってしまうこともある。そういった場合は即交換だ。

エアクリーナーのスポンジは経年劣化&ガソリンの劣化でボロボロのカステラ状になってしまうこともある。そのままエンジンをかけるとスポンジが崩壊してキャブレターに吸い込まれてしまうので、エンジン始動前にエアクリーナーのコンディションをチェックしよう。劣化があれば新品に交換する。

エンジンオイルは乗らなくても酸化して性能が低下するので、保管期間が1年を超えるなら、走り出す前にオイル交換しておこう。エンジン始動後マフラーからの白煙に注意しよう。ピストンリングが固着して一時的なオイル上がりを起こしていることもある。1日走っても白煙が止まらないならば、ショップに診断&修理を依頼しよう。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索