掲載日:2017年03月23日 メンテナンス
取材協力/DAYTONA 写真・文/モトメンテナンス編集部
エキパイがエンジン下に取り回されているカスタムマフラーを取り付けると、時にメインスタンドを取り外さなくてはいけないケースがある。このメインスタンドの存在は大きく、メインスタンドがあればタイヤ交換はもちろん、リアブレーキ周りのメンテナンスも余裕で実践できる。どうしてもそんな仕様のマフラーを取り付けたいときには、メンテナンス用にレーシングスタンドを準備しておくのが良いだろう。ここではリアブレーキシューを交換してみよう。
リアブレーキカムの動きが悪くなるとブレーキシューがドラムに引き摺るようになり、フェード現象が起きてブレーキの効きが悪くなる。そうならないためにもリアブレーキは定期的な点検清掃が必要だ。
このトルクロッドのボルトを取り外し忘れると、アクスルシャフトを抜き取ったときに不安定になる。アクスルシャフトを弛める前に、まずはこのボルトを抜き取ろう。
メガネレンチやコンビネーションレンチのメガネ側でアクスルナットを弛めたら、早回しできるスパナ側(オープンエンド側)でナットを取り外す。右側にナットがあるのでアクスルは抜きやすい。
アクスルシャフトにグリスが残っていたので良かったが、グリス切れでさびが発生していたら、シャフトを抜き取るだけでもなかなか大変な作業になる。復元時にはグリスを適量塗布しよう。
ブレーキパネルのサイドカラーを抜き取ることでブレーキパネルは引っ張り出すことができる。ドラム側になにも無ければこの状態で作業進行することもできる。しかし、ドラムの中は真っ黒け~
ブレーキパネルの汚れも酷いので、ブレーキシュー交換と同時にパネル各部のクリーニング&メンテナンスを実践しておこう。まずはシューを二つ折りにするように片側を持ち上げつつ倒す。
新車から1万数千キロ走っているようだが、これまで一度もリアブレーキメンテナンスは実施されていないであろう汚れ方だ。ブレーキクリーナースプレーで粉塵を洗い流すように除去していく。
ブレーキカムの作動性を確認してみよう。このとき、渋かったり引き摺り感がある場合はカム軸をバラしてアタリを取り、グリスを塗布し直さなくてはいけないが、今回はスムーズに動いたので良かった。
デイトナ製リアブレーキシューを組み込む。ブレーキパッドと同様に、シューエッジも面取りしておいた。高品質なシューなので本来は面取り不要だが、激安シューは面取りしよう。
ブレーキカム面とシュー側の四角い当たり面にはパッドグリスを薄く塗布した。この鳴き止めグリスを塗布することで、ブレーキング時のビビリ感やキックバック感が出にくくなる。塗り過ぎNGだ。
カムの向きを合わせて1セットにしつつスプリングで連結。デイトナのシューセットにはリターンスプリングも同梱されている。機種が何であれブレーキシュー交換時にはスプリングも同時交換したい。
分解時と逆の手順で組み込む。二つ折り状態で片側のシューをピンとカムに当てながら折りを延ばすように組み付ける。カチッと音がしてハマればOKだ。カムを動かしてスムーズに戻るか確認。
あまりにリアドラム内部が汚れていたので、ドライブチェーンを外して車体からホイールと取り出して点検洗浄。まずはホイールベアリングだが、ゴロゴロ感無くスムーズに作動しているようだ。
ドラム内部に溜まった粉塵もパーツクリーナーで洗い流す。軽度な汚れならエアブローでも良いと思うが、粉塵を空気中に撒き散らすことになってしまうため、汚れはパーツクリーナーでジャブジャブ洗い流すのが理想的だ。
アクスルシャフトにはスーパーゾイルグリスをしっかり塗布。サビや白い粉が吹いている際には不織布シートで磨いて汚れを落そう。
組み込んでからグリスを塗っておけば良かったと後悔する部分にリアブレーキロッド用のナットがある。特にヤマハSRは手締めの蝶ナットなので、カジリ気味になると著しく作動性が低下するのだ。
リアホイールを車体にセットしてからではなく、ホイール単体状態でアクスルシャフトがスムーズに抜き差しできるか確認してみよう。特に、抜き取りの際にスムーズに行かなかったものは要注意!!
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!