掲載日:2018年10月09日 メンテナンス
文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事はモトメンテナンス増刊「バイクメンテビギナーズ」に掲載された内容を再編集したものです。
ガソリンがガンガン燃えてバリバリパワーが出るのがエンジンにとっては理想形なのだが、困ったことにガソリンは鮮度が重要であって、長期間放置すると腐って燃えにくくなってしまう。さらに時間が経つとドロドロのゲル状になり、キャブレターを詰まらせるのだ。キャブはガソリンによって生かされるのだが、やがて殺されるのである(意味不明)。
エアクリーナーボックスを開くと汚れてはいたものの、スポンジのエアフィルターは形状を保っていた。スポンジが古くなるとボソボソに崩壊してキャブに吸い込まれて通路を詰まらせることになる。
キャブにつながるエアベンドホースには完全に亀裂が入っていた。その他のホースの劣化も進んでいるだろうから最低でもガソリンやオイルホースは交換しておいた方が良さそうだ。
キャブ外観はオイルのすさまじい汚れに覆われていたので、分解する前に落としておかないと、この汚れがキャブ内部に入ってしまう。頑固な油汚れは油で落とすのが一番。オイルスプレーで洗う。
キャブレターの通路は非常に細かいので、ほんの少しの異物によって経路が詰まって調子を崩してしまう。燃料タンクの錆なんかが落ちるとこれが悪さをして、オーバーフロー(ガソリンお漏らし)を招いたりすることもある。いずれにしても長期不動車はキャブを見といた方が良いですね。
オイルスプレーを吹いて歯ブラシで擦るとみるみるオイル汚れが落ちて綺麗なボディが現れた。吸排気マニホールドにはウエスを詰めておいた。仕上げにパーツクリーナーで洗浄する。
まずフロートチャンバーを開いてみる。内部を見るとガソリンの腐敗した形跡は無かった。これなら新しいガソリンを注入しただけでエンジンがかかったかもしれない。が、作業を進めることにする。
フロートチャンバーはシリンダーに送るガソリンを蓄えておく場所だ。そこには燃料タンクからの砂やゴミが少量見られた。このゴミがフロートのニードルに噛みこむとオーバーフローの原因となる。
次々にジェットを外していく。キャブの手前側にはアイドリング調整とエアスクリューがある。エアスクリューの根元には小さなOリングとワッシャーが入っているので無くさないように注意する。
メインジェットは光に透かして通路をチェックしてみる。詰まりや通路の狭まりは無いようだ。完全に詰まってしまった場合は専用のリーマーで通すか、ジェットを新品に交換する。
メインジェットの下にはニードルジェットが入っているので、細長いもので押して抜く。こちらはサイドに小さな穴が開いているので、ここに詰まりが無いかチェックをしておく。
ジェット類は細かな部品なので、紛失しないようにチャック付きの小袋に入れてキャブクリーナーに漬け置き洗浄しておく。キャブクリーナーは、スプレー式の泡タイプを使用した。
キャブレターボディの方はすべての通路にキャブクリーナーを通しておく。特につまりなどは無かった。仕上げにパーツクリーナーでキャブクリを残さないように洗い流しておく。
キャブレターボディ、ジェット類共にしっかり洗浄して乾燥させたら組み立てる。細やかな部品が多いので、紛失に注意しつつ作業を進める。新聞紙を敷いてその上で組み立てた。
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