総額いくらかかるのか!? 不動スクーター【ホンダ・ジョルノ】を激安再生!! 第1回

掲載日:2018年09月14日 メンテナンス    

文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事はモトメンテナンス増刊「バイクメンテビギナーズ」に掲載された内容を再編集したものです。

廃棄寸前!! 無料より高いものは無いのか!?
意外に程度が良さそうなホンダのジョルノだが……。

1980年代に大ブームとなった原付2ストスクーター。1990年代に入ると各メーカー技術の進歩によってスクーターは、機械的完成度を高めていく。構造がシンプルなキャブレターモデルなので丈夫で良く走るし、ボディは小さく軽く小回りがきくし、足として使うにはこれ以上ないほど安くて便利なのだ。

アンダーボーンフレームのスクーター全般、フロントからのクラッシュでハンドルが手前に倒れるようにフレームが歪むケースが多い。歪んでいる場合は廃車が賢明だろう。

メーター距離は8,853kmを表示。ひと昔前のスクーターは1万kmを超えると積算表示が一周してしまうが、各部を見る限りおそらく1周目のような気がする。メーター2~3周くらいは余裕で走破できるのが1990年代の2ストスクーターだ。

下周りの錆が酷いので、土の地面のところに保管されていたのだろう。樹脂外装車でもフレームやエンジンは金属だ。酷い腐食でフレームの肉が薄くなったり、ホイールがミルフィーユのような錆になっていなければ良いが……。

さらに、現在インターネットを検索してみると1990年代~の原付用消耗部品が驚きの破格値で販売されているのを簡単に見つけることができる。それらの部品を使えば、きっとリーズナブルにしっかりと走る車両に仕上げることができるはずだ。

そこで「できるだけ安く」を合言葉に不動原付きスクーターを復活させてみることにした。今回復活作業を行うジョルノは5年は優に不動状態で、外装のコンディションも並といったところ。某バイク買取業者に引き取りを依頼したところ、処分料がかかると言われたため、処遇に困っていたところを相談され、当企画用に無料で譲っていただいた。

マフラー出口付近はオイルが目立つ2スト車にありがちな状態。マフラー内部にカーボンが堆積するとエンジンパワーが著しく低下する原因となる。ドラム缶で焼くか、開腹手術するしかカーボン除去方法はない。

ブレーキは前後ともドラム式。ワイヤーかブレーキカムの動きが悪いようで、レバーが戻りづらい。タイヤは前後とも山はあるのだが、2005年生産品なので、賞味期限はとうに過ぎている。安心して乗るためにも新品にすることにした。

2スト原付スクーターはだいたいセルキック併用式。押し掛けができないのでキックは本当に心強い。そのキックはスムーズに降りるので、シリンダーの焼き付きやクランクのロックは無く、エンジンは生きている様子。

タンク内は奇跡的に錆が無い状態だがガソリンはやや腐敗気味の香り。全量交換が必要だ。処分に困ってしまう古いガソリンは少しずつ四輪車に混ぜて使い切る。錆が混じっているときは細かい網で濾してから使用する。

不動車再生作業のために純正部品の注文や車体の分解などが必要となる際には、車種専用のサービスマニュアルとパーツリストがあると便利だ。ネットオークションで入手した。

パーツリストはその車両に使われているすべての純正部品の品番が載っているので、その品番を元に部品を発注することができる。ヤマハとカワサキはほとんどの機種のパーツリストをネットで公開してくれている。

サービスマニュアルにはボルトの締め付けトルクや分解、組み立て手順が載っている。あると非常に便利だが、最悪マニュアルが手に入らなければパーツリストで部品の組み付け順序はわかることもある。

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