掲載日:2010年03月29日 バイク用品インプレッション
これからのシーズンインに向けて、この時期多数のライディングジャケットが国内外のメーカーから発売されている。近年はシックで街着のような雰囲気を持つものが多い傾向となっているが、今回紹介するシールズの「SLB-627 ナイロンメッシュジャケット」は、そういった風潮に流されない、ライダーにとって重要な性能であるプロテクションとライダーの動き易さを重視してデザインされたジャケットだ。シールズでは以前より高い安全性と快適性を融合した「スポーツライディングを本気で楽しむライダーのためのウェア」を提唱しており、2010年のニューモデルもその思想に基づいた設計となっているのが特徴だ。
このSLB-627 ナイロンメッシュジャケットで特に注目したいのは、動き易さを重視した立体裁断と伸縮素材の配置。スポーツバイクのポジションに合わせた裁断は、ライディング時の快適性と動き易さを重視したもので、「降りた後のスタイルが…」と言った街着兼用的な妥協を良しとせず、明確にライディング向けとなっている。乗らない時は袖や裾回りの長さが気になるかも知れないが、ひとたびバイクに跨るとしっくりと収まるようになっているところは、ライディングジャケットの性能を重視するライダーにとってニヤリとしてしまうポイントだ。また、肘や腰回りだけでなく、脇の下や上腕部にも伸縮性の素材を採用し、アクションを妨げないよう配慮されているのも好印象。首周りも特徴的で、スーパースポーツのように強い前傾ポジションでもヘルメットと襟が干渉しない形状になっているのは、スポーツライディング用ウェアにこだわるシールズならではの工夫だろう。
もう一つのこだわりである、安全性も丁寧に作り込まれている。背面、腰部、腕部に立体的なソフトプロテクターを配置しているだけでなく、胸部にはプラ成型のプロテクターを標準装備し、オプションでは尾骨までをカバーする脊髄プロテクターも装着可能。また、被視認性を高めるべく、パンチングレザーの下にリフレクターを内蔵しているのも面白い工夫だ。価格帯も2万円代前半と比較的リーズナブルな設定となっているので、プロテクション性と動き易さを重視したいライダーにとって手に取り易く、それでいてハイパフォーマンスな一着だ。
背面、腰部、腕部に立体的なソフトプロテクターを配置したほか、肩と肘にもハードプロテクターを内蔵。脊髄パッドにも対応する。
前傾姿勢時に首の動きを妨げない襟部分のカットや、伸縮性素材の積極的な採用など、スポーツライディングを重視した設計だ。
脇の下のプロテクションや腕部の複雑な伸縮構造など、目立たない部分への作り込みが非常に丁寧なのもこのジャケットの特徴。
基本はハーフメッシュジャケットだが、寒さを感じる時には裏側に防風インナーを装着可能なため、対応できる季節は長い。
クラッチを握ったままでも扱える左腕のポケット。有料道路のチケット収納や支払いに役立つ。カードなどを入れておきたい。
切り返し部分のパンチングレザーの下に、被視認性を高めるリフレクターを内蔵。デザイン面もスッキリと仕上がる面白い工夫だ。
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