ラフ＆ロード SHMシートバッグ＆サイドバッグ

掲載日：2010年03月08日バイク用品インプレッション

バイク用品インプレッション

セミハードシェル対応でプロテクション性能アップ
幅広い車種に対応するツーリングバッグ

積載性があまり高くないバイクにとって、ツーリングバッグは必須のアイテム。近年では用品メーカーから数多くのモデルが発売されており、それらを組み合わせれば機能的なパッキングも簡単だ。今回紹介するのは、長年にわたりツーリングバッグに注力し続けている老舗「ラフ＆ロード」の「SHMシートバッグ＆サイドバッグ」。“SHM”は“セミハードモールド”の略称で、バイクにやさしくフィットするソフトシェルと、プロテクション性能を高めたハードシェルを組み合わせた同社の新しいシリーズだ。最大の特徴は、やはり同社では初となるハードシェルの採用だろう。ここ最近こういった硬質素材を使用したバッグが流行しており、視覚的なアピールとして樹脂パーツを表に出しているモデルが多く見られるが、SHMシートバッグとSHMサイドバッグでは接触時の安全性を考慮し、シェルをファブリック素材でカバーしたタイプとなっている。ツヤのあるルックスでは無いが、うっかり落としてしまった際にも傷がつかないという利点もある。実用本位のバッグにこだわってきたラフ＆ロードらしい選択だ。

SHMシートバッグは、バッグ底面からの浸水を防ぐBWP（ボトムウォータープルーフ）システムを採用。付属のレインカバーもシームレスタイプのものを採用しており、非常に防水性が高いのが特徴だ。内部構造は特に間仕切りなどを設けないシンプルなもので、多機能なポケット付が多いラフ＆ロード製品としては珍しい構造。個人的には少し寂しい印象もあったが、実際に使ってみると仕分けを気にせずざっくりと収納することが出来るため、これはこれで使い勝手が良い。取り付けはベルトを使ってシートへ装着するのが基本で、付属のバックルを使えば同シリーズであるSHMサイドバッグと繋げられるようになっており、揃えて取り付ければ統一感のあるシルエットで運用可能だ。また、ショルダーストラップも備えているので、デイパックとしても活躍してくれる。

SHMサイドバッグは、ハードシェルタイプを採用しながらも、取り付けやすさを重視しているのが特徴だ。内側の曲面をゆるやかにすることで、幅広いタイプの車種に対応。スーパースポーツのように極端に幅広いシートカウルの場合は若干不安定だが、それ以外の車種に対してソフトにフィットする形状となっている。面白いのはサイドバッグ上部にタンデムグリップが付属していること。サイドバッグ装着時にはパッセンジャーが掴むだけでなく、荷物の積載といった用途にも活用出来る。また、バッグ自体にもフックを掛けるリングが取り付けられているため、バッグの上にさらに荷物を積むことも容易だ。こういう気の利いた工夫は、老舗ならではの配慮と言えるだろう。ラフ＆ロード初のハードシェル採用バッグはルックスや素材などが異なれど、これまでの同社ラインナップ同様、ライダー視点から見た使い勝手の良さを重視したアイテムとなっている。