掲載日:2015年04月30日 バイク用品インプレッション
撮影・文/佐賀山 敏行
世間全般に趣味趣向の多様化が浸透していったように、今やバイクも多様化の時代。1990年代前半まで、バイクといえば“いかに高性能か”が重視されていたのだが、ネイキッドモデルの登場やアメリカン、ストリートバイクブームなどを経て、ますますファッション性が重視されるようになった。その黎明期ともいえる2000年にデビューしたのが、MOMO DESIGNの『FIGHTER(ファイター)』だ。
一般的なスポーツジェットヘルメットはもちろん、ファッション性の高いスモールジェットとも一線を画すデザインは当時、スクーターなどに乗る“大人のライダー”に支持された。すでに完成されたモデルとして『FIGHTER』は、長年そのスタイルを変えることなく販売され続けていたのだが、2010年にフルモデルチェンジ。そして2015年、じつに5年ぶりのフルモデルチェンジを果たした。ではさっそく、名称を『FIGHTER』から『FGTR EVO(ファイター エヴォ)』に変えたニューモデルの詳細を見ていきたい。
開閉式シールドはハーフタイプとなっており『FGTR EVO』の最大の特徴ともいえる。防キズ加工が施され、街乗りはもちろんのこと高速走行も快適で、気負わずにガンガン使える。ちなみに顔全体をフォローするラージシールドもオプションとして用意されているので、ツーリングライダーにはそちらがオススメだ。インナーバイザーも装備されており、バイザー先端のツマミを持って開閉する。このツマミは左右にあって、利便性は高い。一体成形となっているので、ツマミだけが変に目立つということがないのもポイントだ。シールドスクリューはあえて大きく、デザイン上のアクセントとなっているのも、MOMO DESIGNならではといえるだろう。それに加えて、帽体に施された艶消しのグラフィックもデザインの大きな特徴であり、所有感を十分に満足させるクオリティ。女性からベテランライダーまで、あらゆる層に支持されるのがよくわかる。
被り心地に関しても、日本人に合わせた内装はフィッティングも良く、快適。デザイン重視ゆえにダクトは装備されていないが、内装の多くにメッシュ素材を使うことで、見た目以上の涼しさが確保されている。当然、それらすべてが脱着可能で、洗濯もできる。
機能的で美しく、安全性も高い……そんなヘルメットを求めるなら『FGTR EVO」は十分に満足させてくれるだろう。
インナーバイザーはツマミ式で、バイザーの左右に一体成形として装備される。従来よりも保護範囲を大きくし、実用性を向上させているほか、引き出す際の音が小さくなった。
シールドスクリューのデザインを改良し、高い質感を持たせている。あえて大きく、デザイン性を高くすることで、シンプルな帽体デザインの特徴となっている。
トリム部などに用いられている縫い糸を、従来のコットンから強固なケブラーへ変更。細かな部分だが、こうした配慮によって高い耐久性とクオリティを確保しているのだ。
メッシュ素材の比率を高めることにより、通気性を向上させた。もちろん、すべて脱着できて洗濯が可能。チンベルトパッドの素材も内装と同じものに変更し、肌触りを良くしている。
サイズに『ML』を用意。MサイズとLサイズの間に、もう1サイズを加えることで、より多くのライダーに満足できるフィッティング感を提供している。さらに塗装のクオリティもUP。
全部で7種類。派手なカラーリングはなく、ホワイトやブラックといったシックなものがメイン。マットカラーも多くラインナップされ、まさに大人が選ぶヘルメットといえるだろう。
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