掲載日:2013年10月18日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
電気をエネルギーとして発熱するウェア類はここ数年ですっかりと定着してきた感がある。ツーリングライダーはもちろんのこと、都市部のライダーにおいても通勤や通学で毎日バイクを走らせる人にとっても必須アイテムといって過言ではないかもしれない。
それだけさまざまなメーカーの電熱ウェアが市場に溢れているが、定番というか老舗というか、長きに渡って信頼性の高い電熱ウェアを生産しているのが「ガービング」だ。ハーレーダビッドソン純正アイテムのOEM元としても知られ、世界中のユーザーに支持されている。
今回テストしたのはバイクの12Vバッテリーを電源とするインナージャケットだ。最新モデルは好評のマイクロワイヤーテクノロジーを熟成させ、断線に強い構造として耐久性をアップさせているという。
残念ながら耐久テストまでは行えなかったが、電源を入れると即座に熱を感じられる即答性は健在だ。この季節でのテストだからよけいに熱を感じやすいが、アメリカ生まれのタフさは、厳冬期において真価を発揮してくれる。昨シーズンにテストしたガービング社製ウェアは、その意味においてすばらしく頼もしい相棒だったことを思い出す。
インナージャケットと各種コントローラー、電源ケーブルはコネクターによって接続する方式だから、バッテリーに直結させた電源ケーブルを普段はシート下に収納しておくと便利だ。ジャケット側のコネクターは左裾にあり、ライディングの際にも邪魔にならない。電源と温度を調節できるコントローラーは別売となっており、「シングル温度コントローラー」「デュアル温度コントローラー」は電源のオンオフと温度調節が可能。もしくは、電源オンオフの機能に限定した「電源ON/OFFスイッチ」のいずれかを同時に購入して使用することになる。温度コントローラーがないと温度調節ができないので、厳冬期以外では熱さを感じるかもしれない。予算が許すならば温度コントローラーも購入しておきたいところだ。
この類のアイテムに求められるのは性能が第一であることはもちろんだが、同じくらい大切なのが信頼性だ。使用時に故障した場合、電熱前提の装備ではバイクを走らせ続けることが困難になるばかりか時と場合によっては命の危険もある。ハーレー社が純正エクイップメントとして採用する実績は伊達ではないのだ。
バイクのバッテリーに接続したケーブルはコネクター部をシート下から出しておけば着用時でもケーブルがライディングの妨げになることはない。ただし降車時に外すことを忘れないように。
インナージャケット内側左裾にケーブル収納ポケットがあり、電源未使用時でもコンパクトに着用できる。ケーブルは3本あり、白色がジャケット、黒色がグローブ&パンツへの電源入力。黄色がパンツへの電源出力となっている。
背中部分の発熱部の広さがわかる写真。マイクロワイヤーテクノロジーを採用しているが、電熱線が密に組み込まれているためライダーは「面」で熱を感じることができる。かなり温かい。
最新モデルは襟まわりが赤くなり、ファッション性が高まった。身頃ジッパーの頂点部には肌に直接ジッパーが触れないための折り返しと、防風性と保温性を高めるリブがついている。
インナージャケットとはいえ、国内製品のサイズに比べて1サイズ程度大きなデザインとなっているため、購入の際にはサイズをしっかりと確認しておきたい。ちなみに今年モデルからロゴデザインが一新された。
オプションとなるコントローラーは温度調節に必須なのでぜひ合わせて購入したい。写真はジャケットとグローブ、ジャケットとパンツなど2系統で個別に温度調節できる「デュアル温度コントローラー」(1万2,600円)。
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