掲載日:2012年06月15日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
HJCからリリースされた新作フルフェイスは、今やヨーロッパでは常識となったサンバイザーを内蔵したヘルメットだ。日中の強い日差しを浴びての走行時にはサンバイザーを下ろし、夜間やトンネルなどでは指先ひとつでサッと収納できるのが最大の特徴だ。
「インテグレーテッド・バイザー」と名づけられたHJCのサンバイザーの優れた点は、格納時の操作がボタンをプッシュするだけと至って簡単な点だ。とくにウインターグローブを装着しているときこそ恩恵を感じられるシステムで、トンネル進入時にすばやく視界を確保でき、安全性を高めているのだ。
実際に厚手のグローブで操作してみたところ、ボタンの位置もわかりやすく、また軽すぎず重すぎないプッシュ感もいい。それでいてバイザー格納のショックがヘルメット内に伝わるでもなく、すばやく視界を確保できる。
標準装備されるサンバイザーは、やや明るめのスモークタイプ。試しにトンネル内でも使用してみたが、視界がまったく効かなくなるほどの濃さではない。日中では適度に日光を弱めることができ、目を保護してくれる。とくに日光に向かって走行する場合でも眩しい部分だけをカットしてくれる感じだ。
気になる被り心地は、フィット感が高く、安心感を得られる。海外製ヘルメットの場合、日本人の頭の形と合わないという問題が指摘されることが多いが、テストした範囲では頭部の一部がきついということはなく、長時間の着用でも快適に過ごせた。
アゴと額部に設けられたエアインテークはもちろん開閉可能で、操作は軽く、快適。フレッシュエアを適度にヘルメット内部に導いてくれる。夏場のツーリングでも快適なひとときをもたらしてくれるだろう。
これだけの機能を備えながら、実売価格は3万円をきるという高いコストパフォーマンスを実現している。ヘルメットの新調を考えているならぜひ選択肢に入れたいフルフェイスだ。
ワンタッチで格納できるサンバイザーを備え、トンネル走行時に役立つ。スモークが標準装備されるが、オプションではオレンジも用意されている。好みに応じて替えられる使い勝手が良い。
頭頂部に設けられたレバーを下げるとバイザーオンとなり、レバー下部のボタンを押すだけでバイザーがサッと格納される。とくに格納時は素早さが要求されるため、非常に便利な機能だ。
アゴと額の2か所にエアインテークが設けられ、もちろんそれぞれシャッターで開閉可能。どちらもグローブでも操作しやすい大型レバーを採用しながら、スタイリッシュにまとまっている。
シールドを下ろすと自動でロックされる仕組み。左側面に設けられたシーソーボタンを押すことでロックが解除される。シールドはUV加工済みのポリカーボネート製で、強度は抜群だ。
ワンタッチバックルも便利だが、Dリング式に安心感を覚えるというライダーも多い。ストラップの余分な箇所を固定できるホックが装備されており、走行中のバタつきを防止する。
速乾性に優れ、抗菌・防臭機能を合わせ持つシルバークール内装を採用。もちろん着脱可能で、これからの季節でもマメに洗濯することで清潔さをキープできる嬉しい作り。装着感も快適だ。
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