掲載日:2011年12月16日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
アメリカに拠点をおくガービング社は1976年に設立され、以来ヒーティングジャケットを生産している。1999年からはハーレーダビッドソン社の純正アクセサリーとしてヒーティングジャケットをOEM生産する実績と実力あるメーカーだ。
それだけに、今回テストしたヒーティングジャケットもその基本設計の高さと信頼を感じさせてくれた。ジャケットのコード接続部は身頃内側に3ツ口のコネクターとしてまとめられ、電源コードを外した際もスマートでとてもすっきりとしている。中綿には高品位の防寒素材であるシンサレートを採用し、作り出した熱を逃さない。これはバイクを下りてからも効果を発揮してくれるので、ヒーティングウエア特有の「バイクに乗ってるときはいいが、下りた後がつらい」という状況を大幅に改善している。今回も撮影時には電源を切った状態だったのだが、30分ほどは熱が逃げず、体の冷え込みを防いでくれた。
さて、その発熱能力だが、同社独自のマイクロヒートワイヤーテクノロジーは、電源を入れて10秒もすれば暖かさを感じられる即応性の高いものだ。とくに襟まわり(ジッパーが肌に触れないようフリース素材の当て布が採用されており、肌触りは抜群)と背中に暖かさを感じられるため、血液が暖まるせいかすぐに全身がポカポカとしてくる。発熱体はワイヤーとのことだが、ずいぶんと密に織り込まれているのか、線ではなく「面」で熱を感じられるのもありがたい点だ。
かなりの低温下での使用も想定されているのか、発熱温度はとても高い。今回のテストでは綿100%の長袖Tシャツの上に着用したのだが、暖かさではなく熱さを感じる部分もあった。おそらく50度以上の発熱能力があるのではないだろうか。別売のコントローラーを併用すれば温度調節ができるので、ぜひそちらも使いたいところだ。
シンサレートを中綿としているので、都市部での着用なら電源を入れずに普通のインナージャケットとして使用するにも申し分ない。そしていざというときには電源を接続すればたちまち体を暖めてくれる。普段使いに最適だし、もちろんツーリングでも活躍してくれるだろう。もはやライダー必須の一着といえる。
喉にあたる部分にはフリースが採用されており、肌触りはとても気持ちがいい。発熱体も内蔵されているので、電源投入後すぐに暖かさを感じられるし、血液を暖めて血行を良くしてくれる。
もはやヒーティングウエアの常識ともいえるが、別売のヒーティンググローブ用の電源ケーブルは袖口付近に収納される。コード長はおよそ20cmあるからハードな動きにも引っ張られない。
身頃内側の右にはジッパー付きポケットを備え、カード類や小銭入れなどを収納できる。さらに大きめのポケットは左右両側の身頃にあり、オプションの携帯バッテリーを収納するにも便利。
裾の右側に設置されたコネクターはすべてまとめられており、使用しないときでもすっきりしている。別売の電熱インナーパンツを使用するときも、ここから電源を取ることができる。
標準ではコントローラーが付属せず、バッテリーと直に接続するハーネスのみが付属する。ジャケット以外にグローブやパンツ使用時のためにヒューズは複数付属。
アメリカ製だけあって、日本人にとってサイズはやや大きめだ。しっかりと採寸してからオーダーしたい。襟足が高く、冷風の巻き込みと侵入を防ぐデザインとなっている。
価格/2万9,400円(税込)
問い合わせ先/ガービング(TEL:047-314-1180)
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