掲載日:2011年11月25日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
レーシングスーツからツーリング、街乗りまであらゆるギア、アパレルを開発/生産し、多くの国際ライダーからも厚い信頼を得ているRSタイチからリリースされた新作ジャケット「GMX モーション ベンテッドレザージャケット」は、いわゆる秋冬ジャケットとは一線を画すデザインだ。
その理由は、身頃と袖にパンチングレザーを採用し、通気性を高めたデザインにある。そう、この季節にリリースされたからといって防寒性の高い秋冬ジャケットではない。レーシングスーツ同様の運動性と通気性を追求したレザージャケットなのだ。着脱式の防風インナーを装備しているが、これとて寒風の中を「流して走る」には心もとない。あくまでスポーツライディングすることを前提としたレザージャケットだ。
しかし本来のデザインに注目してみれば、その高い安全性と快適性はRSタイチならではのノウハウが詰め込まれている。両肩に配される「T-AIR」は、通気性を確保しながらプロテクターとしての役割を持つ独自のシステム。牛革のパンチングレザー(メッシュレザー)の内側には吸汗速乾性のあるポリエステルを縫い合わせる。そして転倒時に頚椎へのダメージを軽減するネックサポートを配している。もちろん、肩/肘/背中にはCEプロテクターを標準装備し、胸部プロテクター装着用のドットボタンも備える。さらに同社製のレザーパンツと接続するためのジッパーも備え、スポーツライディングを目的としたジャケットとして必要にして十分以上な機能を持っているのだ。
袖を通してみると、サイズはややゆとりを感じられるフィット感。薄手のものならインナーに着用することができる。秋冬用としてワインディングでも使うのなら、ぜひインナーを着用した上で試着をしてから購入したいところだ。
もちろん裁断は前傾姿勢に合わせたものだから、スーパースポーツにまたがってハンドルを握ればフィット感が高まり、その運動性能の高さを感じることができる。背中や脇、肘に設けられたシャーリングが、その性能をさらに高め、よりアグレッシブなライディングへと導いてくれる。MFJ公認ではないためロードレース用として使うことはできないが、多くのサーキット走行会で活躍してくれることだろう。
転倒時に頚椎への衝撃を軽減するネックサポートは、レーシングスーツの常識。もちろんストリートだからといって過剰装備ではない。ネックサポート上部にはプロテックケブラーを用いている。
ジャケット内部への通気孔とプロテクターとしての役割を持つ「T-AIRシステム」は、同社製レーシングスーツと同様のシステム。ロードレース最前線からフィードバックされたテクノロジーだ。
肩と肘に内蔵されるCEハードプロテクターと背中に装備されるCEハニカムプロテクターは、英・KNOX社製を採用。レーシングスペックだけあって十分な厚さを持っている。もちろん脱着可能。
パンチングレザーの内側には吸汗速乾性あるポリエステルが張られる他、防風性の高いインナーも装備(脱着可能)。胸部プロテクターを装着するためのドットボタンも装備する。
脇部分のシャーリングは体に沿って配され、ライディング時の動きやすさを高める。ウエスト調節はドットボタンにより行い、2段階に調節できる。リブも大きめでグローブでも扱いやすい。
レーシングスーツをセパレートしたようなシルエットを持ち、身頃と上腕部にパンチングレザーを採用。とはいうもののストリート用としてゆとりある裁断になっており、リエゾン時の疲労感を軽減。
価格/6万3,000円(税込)
問い合わせ先/RSタイチ(TEL/072-874-3268)
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