掲載日:2011年11月18日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
京都に拠点をおき、和の伝統を活かしたブランドを展開するなど、モーターサイクルアパレルの中でも異彩を放つのがデグナーだ。そのデグナーが2011秋冬としてリリースした「11WJ-2 ゴートレザージャケット」は、素材の旨みを十二分に活かしたライダースレザージャケットになっている。
まずひと目見て気を引くのは、ゴート(山羊)スキンならではの質感だ。独特の凹凸の表面を持っているためゴワゴワしているような印象を抱くが、他のレザースキンと比べると強度がありながらも薄手なために、着心地はやわらかいのだ。そのため、シルエットはとてもすっきりとしているのが、このジャケットの特徴でもある。だから街着として羽織っても何ら違和感はないし、さっと袖を通せるのだ。
もちろん着用してもその印象は変わらない。しなやかなやわらかさだが、しっかりとしたレザーに包まれる安心を感じられる。試しに腕をぐるんと振り回したり、上半身を屈めたりひねったりしてみても、窮屈さは微塵もない。ゴートスキンのやわらかさの恩恵だ。さらに身頃と袖口の内側に縫い込まれたボアが、さらに安心感を高めてくれるし、やわらかな感触はシンプルに気持ちいい。
もうひとつうれしいのが、首まわりのニットがハイネックになっていて、普段は折りたたんでスタイリッシュに、寒さが厳しいときには襟を伸ばせばマフラーを巻いたように首全体をやわらかく包み込んでくれ、保温性を高めてくれるのだ。ただし防風性の高い素材ではないので、極寒時にはさらにゴアウィンドストッパーなどのネックウォーマーなどをプラスしたほうがいいかもしれないが、伸縮素材だけに首を圧迫しないのは大きなメリットだ。
街乗りに適しているのはもちろんだが、インナーを工夫すれば軽いツーリングなら十分に耐えられる。なによりも気軽に羽織って、脱げる。このメリットはツーリングでも大切な要素だ。ゴートスキンの質感と感触をさまざまなシーンで体感できるはずだ。
襟は伸縮性のあるニットになっており、なおかつハイネック仕様。冷風が入り込むのを防いでくれる。ニットなので襟を立てても圧迫感がなく、やわらかく首をあたためてくれるのがうれしい。
ゴートスキンだけが特徴ではない。身頃と袖口には毛足の長いボアを縫い合わせているから、着心地はやわらかくてあたたかい。とくに袖口のボアは防風性を高めるのにも一役買っている。
裾からの冷風の巻き込みを防止するウエスト調整は、ドットボタンで2段階に調節できる。ボタンの感触はしっかりとしているのでグローブをはめた手先でもやりやすいのがうれしい。
ジッパー内側には冷風の侵入を防ぐリブがついて、保温性をキープ。これはジッパーを引き上げる際にインナーの布地を巻き込まない機能も併せ持っている。使い勝手のいいデザインだ。
袖口を大きく開くためのジッパーが設けられているので、厚手のインナーを着用している際でも袖を通しやすい。ジッパーにはリボンがついているのでグローブ装着時でも開閉は簡単だ。
ゴートスキン(山羊革)の特徴は、薄手ながらも強度が高いこと。くわえて表面のシボ感だ。ゴートスキンならではの細かな凸凹が作り出すこの質感は、牛革や馬、羊とは異なる味わいだ。
価格/4万9,350円(税込)
問い合わせ先/デグナー(TEL/075-501-7199)
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