掲載日:2011年09月22日 バイク用品インプレッション
撮影・文/高城 一磨
バイク用インカムの需要は、実は海外のほうが大きい。現状では日本でもインカムの認知度はかなり上がってきているが、ツアラーモデルの人気の高さ=ツーリング文化の深さを考えると、まだ欧米に一日に長がある。とくにヨーロッパでは、バケーションになるとパートナーや仲間とともに国をまたいだロングツーリングにでかけることが極普通に行われ、その方法や手段、関連グッズも実用に長けたものが多い。中でも、バイク用インカムとして知名度の高いのが、イタリアのインターフォン・シリーズだ。通信機器メーカーであるセルラーイタリア社が開発した商品で、電気機器の国際規格に於ける防水機能では、0~8等級のうち最高ランクに準ずる7等級を、防塵機能0~6等級では最高ランクである6等級を持たせ、耐久性の高さには定評ある商品である。
このインターフォン・シリーズは、ソロツーリングモデル用のF2、タンデム専用のF3、ハイエンドモデルであるF4の3種類が用意されるが、今回紹介するのはトップモデルのF4。F2やF3同様にブルートゥースで携帯やGPS、ナビ、ミュージックプレイヤー等と接続できるのはもちろん、通話最大可能距離が500mまで可能になった。これは高速道路などの見晴らしの効く直線での話で、市街地では300m前後、山間部では100m前後を目安としているが、実用性としては十分なものだろう。これなら、ついグループが分散しがちなマスツーリングの先頭としんがりのコミュニケーションにも使えるだろう。
もうひとつ、インターフォンが自信を持っているのが、クリアな音質だ。これを実現しているのが、風きり音カット機能、自動音量調整機能、高性能スピーカーの3要素である。風きり音カット機能は、会話で使用する音域以外をカットすることで、不要な雑音を切り捨てる仕組みで、高速道路では結構な速度域でも普通に会話を楽しめると評判。これは、スポーツモデルに多いシート直下にマフラーがある場合も、排気音カットに有効だろう。
これに加え、走行風に応じてスピーカー音量を自動調整するため、「聞こえづらい」という状況を生み出さない工夫がされている。もちろん、音楽は高音質なステレオで楽しめる。天候問わずにハイスピードでの移動が多い欧州ツーリングの現場で鍛えられただけに、インターフォンの基本性能の高さは折り紙つきである。
仲間同士の会話が主目的のインターフォンF4だから、2個入りのツインパックが主流。ペアリング済みで出荷してくれるため即使用可能。ツインパック5万9,800円、シングルパック3万1,800円。
これはシングルパックのキット内容で、出荷状態からマイクやスピーカーには固定用のベルクロテープが貼り付けられている。マイクはユニバーサルタイプとフルフェイスタイプの2種類を用意。
フルラバーコートの防水ボディは、操作ボタンが3つのみのシンプル設計。右上の丸いマルチファンクションボタンで、ボディ中央と左に音量調整ボタンを装備。操作性に優れた作りを持つ。
マイク、スピーカーともに小型で、煩わしさを感じづらいサイズだ。ボディ表面はラバーコートされた状態で、防水防塵に自信あり。スピーカーマイクとの接続部はコネクターがしっかり密着。
装着も簡単だ。2種類のブラケットが用意され、上は貼り付けタイプでベルクロテープを使用すると便利。また下はクリップタイプで、ヘルメットのシェルと内装の間に差し込んで固定。
海外からの輸入商品は説明書が欧文のものも多いが、インターフォン・シリーズには日本語説明書も付属するため、安心してセットアップが可能。操作もシンプルだから迷いが少ない。
価格/¥59,800(ツインパック)/¥31,800(シングル)
問い合わせ先/トーヨー産業(TEL/03-6303-0030)
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