掲載日:2010年10月25日 バイク用品インプレッション
ウインターグローブ選びというのは実に難しいと思う。温かさを優先すれば操作性が悪くなり、操作性を重視すればどうしても温かさは二の次となってしまう。状況に応じてグローブを使い分けるのがベストだが、それができないシチュエーションも多い。さて、今回テストしたのはRSタイチのニューモデル「ヒートジェネレーター・フレックスウインターグローブ」である。
このアイテム最大の特徴は、掌から発散される僅かな水分を熱に変換する新素材「ヒートジェネレーター」を内装に採用、中綿は比較的薄いシンサレート製となっているが十分な防寒性を実現している点である。また、内装にはRSタイチが実績を積み重ねてきた防水・透湿素材「ドライマスター」をインサート。熱を奪い去る風や雨、雪から手を完璧にガードしている点も見逃せないポイントだ。プロテクションの面では、近年RSタイチが積極的に採用している「ハードナックルプロテクター」を手の甲側に採用。アウター生地と一体化して見た目は仰々しくないにもかかわらず、確かな保護性能を実現している。そのほか要所要所に衝撃吸収のためのフォームプロテクションを内蔵し、耐摩耗性を要求される指先などには山羊革、通気性が求められる部分にはナイロン、柔らかな肌触りを重視する部分にはネオプレーンと、適材適所で複数素材を使い分けているのも大きな特徴と言えるだろう。
このように高機能スペックがズラリと並ぶヒートジェネレーター・フレックスウインターグローブだが、実際の使い心地はどうだろうか。今回のテストでは約1週間このグローブを着用していたのだが、温かさに関しては文句なく一級品だと感じた。ライディングを開始すると自然に掌がホカホカとしてくる。手の発汗とともにヒートジェネレーターの発熱が促進されるようで、10分もすると十分な温かさを感じることができる。この「発熱」感覚は中綿の保温性能のみに頼っている従来のグローブとは明らかに違う部分だ。また、この発熱性能によって中綿の厚みが最低限となっているのも好印象。防寒性能からすれば真冬にこそ常用したいグローブだが、操作感もウインターグローブとしては抜群に良い。さすがに3シーズン用と同等とまではいかないものの、スロットルの握り加減や微妙なレバーの感触などがスポイルされないため、スポーツ走行にも十分に対応可能だと感じた。細部を観察してみると、微妙なフィーリングが必要な場所には滑り止め加工が施されており、繊細な操作ができるように工夫が凝らされているようだ。抜群の温かさと良好な操作性をここまで両立しているグローブというのも貴重な存在だと思う。気になる方はぜひとも店頭で試着してみて欲しい。
抜群の温かさを誇る一方でレバーやスロットルなどの操作感も良好。ヒートジェネレーターを採用した恩恵と言えるだろう。
一見すると通常のトリコット素材と変わらないが、水分を熱に変換するヒートジェネレーター内装となっている。抜群に温かい。
表面は撥水加工がほどこされ、さらに内装には防水・透湿素材「ドライマスター」をインサート。風や雨、雪をシャットアウトしてくれる。
アウター生地と一体化して目立たないが甲側にはハードナックルプロテクターを内蔵している。内側のフィット感も抜群に良い。
レバーを掛ける指先、グリップを握る指の付け根には「TAICHI」の文字で滑り止め加工が施される。バックスキン調の素材は耐久性も高い。
左手の人差し指先端部分にはゴム製の小さな突起「ナビタッチ」を搭載。ナビゲーションなどタッチパネルを操作するのに便利だ。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!