これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

掲載日:2024年10月03日 フォトTOPICS    

取材協力/株式会社スズキ二輪 取材・写真・文/小松 男

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

スズキからの原付一種の新提案!

2015年の排気ガス規制クリアが困難なことから50ccエンジンを使用した原動機付自転車(原付一種)の生産が終了するという驚くようなニュースが入ってきて久しいですが、「それではその後はどうなるのよ!?」という多くの疑問には公式なアナウンスがなされていません。

そのような中、国内大手バイクメーカーの一つであるスズキが新たな原付一種の提案『e-PO(イーポ)』を開発中です。電動モーターとペダル操作を併用したいわゆる“モペッド”タイプで、しかも折り畳み式。先だってメディア向けの試乗会が行われたのでその感触をお伝えします!

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

2日間に渡り開催されたメディア向け試乗会には開発中の『e-PO』が多数用意されました。バイク専門メディアだけでなくNHKや新聞社など幅広い報道関係者が参加されていたのが印象的です。

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

試乗の前には開発関係者からの技術説明も行われました。二輪事業本部チーフエンジニアの福井大介さんは開発のコンセプトやイメージとなったペルソナなど開発の概要を話してくれました。

EPO(エポ)ではなく『e-PO(イーポ)』です!!

ここ数年騒がれている2025年11月から施行される新たな排ガス規制による50㏄エンジンを使用した原付一種バイクの絶滅。すでに生産終了時期をアナウンスしている国内メーカーもあり、今後どうなっていくのだろうと不安に思われている方もいらっしゃることでしょう。最高出力を現在の原付一種同等まで引き下げた125ccモデルに移行することなども噂されていますが、すべての問題の答えとなる正式なアナウンスはまだされていない状況です。

そのような中、国内大手バイクメーカーの一つであるスズキが次世代を見据えた新たな原付一種モビリティ『e-PO(イーポ)』の開発を進めています。昭和生まれのバイク乗りである私はこの名称を知った時、「RG502ストロークエンジンを搭載したコンパクトながらも過激な走りを楽しめたレジャーバイク“EPO(エポ)”の復活か!?」と頭に浮かびましたが、よくよく車名を見てみるとエポではなく“イーポ”です。ちょっと期待しただけに残念ではありますが、パワフルな電動モーターとペダルを併用したモペッドタイプであり、しかも折り畳み式とのこと。それはそれで面白そう!

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

e-POは長年電動アシスト付き自転車を手掛けてきたパナソニックとタッグを組んで開発されています。パナソニックの電動アシストパワーユニットを活用しスズキがリファインしているとのこと。

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二輪パワートレイン技術部 技術企画課の神谷洋三さんにもお話を伺うことができました。パナソニック製のパワーユニットを改良し900gもの軽量化を実現し、現在は2.8kgだということです。

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試乗前の操作説明。電動アシスト付き自転車とは違いスロットル操作だけで進むフルオート走行もおこなえます。この手のモビリティに慣れていない方のための練習走行コースも用意されました。

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私もしっかりe-PO(イーポ)を試乗してきました。想像以上に面白くて周回コースをグルグルと何周したことかわかりません。そのために撮影時間がギリギリとなってしまったほど楽しかった!

電動アシスト付き自転車? 原付スクーター?
いいえ、これは新たなコミューターです!

さていよいよe-POに試乗していきたいと思います。ウインカーなどの補器類やナンバープレートが備わっているのですが、ぱっと見は折り畳み式電動アシスト付き自転車そのものです。大きなポイントとなっているのは右グリップ部分がスロットルとなっており、フル電動走行もできることです。フル電動走行、アシスト走行、ペダル走行の3モードで使い分けることができます。

試乗ではフル電動とアシストを上手く組み合わせて走らせたのですが、これが結構速く、時速30kmは余裕で超えることができます。シャシーもそのパワーに見合う剛性力を持たされておりカッチリ感があります。雨が降った後で少々濡れた路面でしたが、ペースを上げて走らせても怖さはありませんでした。

アシスト走行に関しても通常の電動アシスト付き自転車が、人力1に対しモーター2程度の配分なのに対し、e-PO(イーポ)は人力1に対しモーター3で設定されているので超楽ちん!! ついつい走りすぎだろ! と突っ込みが入るほど乗り続けてしまいました。

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

折りたたむことで軽自動車の荷室スペースにもすっぽり収まるサイズになります。でもこのe-PO(イーポ)は原付なのですよ!

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まだ開発途中段階ということですが、今回のテスト車両の車重は23kgとのこと。力に自信のない方でも持ち上げられる数値です。もちろんシートの上げ下げも可能です。

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右グリップの半分程度がスロットル部分となっています。バイクに乗りなれている方であれば何ら問題がないですが、電動アシスト付き自転車しか乗ったことがない方は慣れが必要かも?

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パナソニックサイクルテック製の電動アシスト付き自転車と共通のバッテリーを採用。約2.5kgと軽量なので持ち運びも容易。容量も大きいので便利に使えそうです。

で、結局どうなの『e-PO(イーポ)』!?

e-PO(イーポ)の開発者をはじめとしたスズキスタッフからのお話、実際に走ってみた感触などを踏まえて、ぶっちゃけた感想を書き綴りたいと思います。

まず、作り込みや走りなど“モノ(製品)”として考えると、とても良いものだと感じました。特に大手日本メーカーであるスズキが手掛けたことによるアフターケアをはじめとしたサービスの安心感は絶大です。ネット通販で無名ブランドのフル電動コミューターを購入した知人が、数mしか走ってないのに故障して、販売店に連絡したら送料自腹で送り返すことを指示されたうえ結局直らず、送料自己負担で終了したと怒っていました。もしe-PO(イーポ)が発売し購入したとしてもそういったことには陥らないでしょう。

気になる価格は未定ですー

価格は重要なポイントです。スズキスタッフの話では、まだ最終製品段階ではないことや、輸送方法なども決まっていないので価格は出せていないということですが、パナソニック製電動アシスト自転車の価格帯は10万円前後から、スズキの原付一種スクーターであるレッツは17万8200円ということを考えると、税込み10万円で登場すれば嬉しいところだと考えました。

重要なのは交通社会整備かも……

クルマのトランクに積めることだしキャンプやサーキットに持っていっても便利そうなのですが、原付一種区分であるために、ヘルメットの着用義務はもちろん、歩道を走行することができません。でも、どう見ても“自転車”にしか見えない。だから車道を走れば四輪車に煙たがられる。まあ、この件に関しては前から問題になっています。

そうそうヘルメット着用に関しては、まだ徹底されていないものの、昨年4月から自転車走行時における“ヘルメット着用努力義務”が施行されていることや、安全面はもちろん、ファッション的にヘルメットを取り入れる方も増えてきているようなので、世間の抵抗感は薄れているように思っています。

なににせよ、スズキの初めての取り組みであり、他のバイクメーカーも参入していないステージです。e-PO(イーポ)が登場することで新たなジャンルが開けることも大いに考えられます。これはいまから是非チェックしておきたい一台ですよ!

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

今回のテストコースではフラットだったこととフル電動とアシストの走行がメインだったこともありトップ固定でしたが、7段ギヤを装備しています。ストリートではこれがポイントになるかも?

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

原付一種登録です。むしろこうして割り切ることで道交法などの色々とグレーな部分が払しょくされるかもしれません。ちなみに結構速いです。

これが次世代の常識になる!? 折り畳み式原付! スズキ『e-PO』に乗ってみた!!

個人的にはe-PO(イーポ)というモデルは“良い”です。便利に使えると思います。なので、どんどん皆が乗り回して魅力を伝えれば、あらたなムーブメントとなるのではと考えています。

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