【ホンダ CUV e: 試乗記】2人乗りもOK! 日常でしっかり使える実用的な原付2種EVスクーター

掲載日:2026年02月27日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

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HONDA CUV e:

ホンダの「CUV e:」(シーユーヴィー イー)は交換式バッテリーを動力源に採用した、原付2種の電動パーソナルコミューターだ。2人乗りが可能でライディングモードを搭載するなど、使い勝手にも配慮したこのマシンに実際に試乗し、その実力や使い勝手を確かめてみた。

ホンダ CUV e: 特徴

交換式バッテリー&ライディングモード装備で使い勝手の良さが光る

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クルマだけでなくバイクの世界にもEVモデルが投入されるようになった昨今、国内メーカーもスクーターモデルを中心に、実用的なEVを発売するようになってきた。そんな中、2025年6月から日本市場に導入されたのがホンダのCUV e:だ。車名の由来は「クリーン・アーバン・ビークル」の頭文字から取られている。

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パワーユニットには磁気回路と構造の最適化を図ったホンダが独自に開発したモーターを採用し、動力源には交換式のリチウムイオンバッテリー Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック e:)を2個使用する。カテゴリーは原付2種で、最高出力は6.0kW(8.2PS)を発生、メーカーによれば110ccのスクーターと同等の動力性能だとしている。ちなみに1充電あたりの走行距離は、57km(60km/h定地走行テスト値)となっている。

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CUV e:はスクータータイプの電動2輪車だが、ライディングモードを搭載している。モードは日常走行でバランスのいい「STANDARD」、加速とレスポンス重視の「SPORT」、出力を抑えて航続距離の伸びに特化した「ECON」の3種類で、走行状況や好みに応じて出力特性の切り替えが可能だ。これに加えて後進をモーターの力でアシストする「リバース」モードを搭載。狭い場所からの引き出しや傾斜地での切り返しなどで、ライダーの負担を減らしてくれる。

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メーターは7.0インチという大画面のTFTフルカラー液晶で、ホンダ独自のコネクテッド機能である「Honda RoadSync Duo(ホンダ ロードシンク デュオ)」を介してスマホと連携させることで、ナビゲーション操作やハンズフリー通話、音楽再生などの機能が利用可能。バッテリー残量や航続可能距離が表示できるほか、ナビ機能ではバッテリー交換ステーションを中継するルート設定なども検索できる。

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気になるプライスはメーカー希望小売価格で52万8000円で、これにはバッテリー2個と充電器2個が含まれている。ちょっと高く感じるかもしれないが、国や自治体がEV車に対する補助金を用意しているので、それを使えばかなり購入のハードルは下がるはず。また、モバイルパワーパック e:はバッテリー交換サービスのGachaco(ガチャコ)に対応している。ガチャコの交換ステーションは東京都を中心に埼玉県と大阪府に50カ所あまり(2026年2月現在)しかないが、行動圏内にステーションがあるなら、ガチャコの利用料はかかるものの、車両本体(20万200円)だけを購入すればよく、さらに乗り出しが容易になるだろう。

ホンダ CUV e: 試乗インプレッション

思わず声が出る速さの「SPORT」モードにびっくり。
課題は航続距離か!?

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CUV e:の外観デザインはとてもシンプルで、薄型のLED灯火の醸し出す表情とも相まって、まるで小型のスペースシップのような近未来的なイメージだ。車両重量は120kgで、これは同じホンダのPCXよりも13kg軽く、Dio110より24kg重い。ちょうど両者の間ぐらいの値だ。原付2種のスクーターとしては特に重いわけではないが、車両を押し引きする取り回しは、ベルト駆動のスクーターよりも抵抗があって少し重い印象だ。しかし、一旦走り出すとその動きはとても軽い。

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まずは「STANDARD」モードで走ってみる。スロットルをひねるとほぼ無音でスルスルっとスムーズに動き出し、30km/hぐらいまではかなり俊敏な加速を見せる。その後の加速は少し緩やかになるものの、125ccクラスに迫る機動性と言ってよく、ストレスなくシティランをこなせる印象だ。

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続いてモードを「SPORT」に切り替え、再びゼロから発進してみると、いきなり体がグッと後ろに持っていかれるぐらいの鋭い加速で、思わず「速っ!」と声が出てしまった。EV独特の、トルクの谷のない、押し出されるような加速感であっという間に法定速度に達し、なおもグイグイと伸びていく。車体中央部に重いバッテリーを積んでいるため重量配分のバランスがいいのか、ハンドリングはとても素直で安定性も高い。前後のサスペンションが標準的なものなので、たまにギャップを受け止めきれず突き上げを食らう場面もあるが、少々キツい坂道でもスイスイ登り、タイトなターンが続くような道でも素早い切り返しができて、かなりスポーティな走りを見せてくれる。

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3つ目の「ECON」モードは出足がかなりスローで、その後のスピードの乗りも非常に緩やか。電動アシスト自転車よりのんびりしているぐらいなので、本当にバッテリー残量が少ない時の非常用、程度に思っておいた方が良さそうだ。

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「SPORT」モードで気持ちよく走り回ると、航続可能距離がどんどん減ってしまうので、実際は「STANDARD」モードを多用することになるだろう。「もう少しバッテリーが長持ちすればいいのに」とか「せっかくの大画面液晶メーターが角度的に見づらい」「重くて大きいバッテリーを交換するのが意外に大変」など、気になる点もある。ただ、家から最寄り駅周辺など移動距離が読める場合や、周囲にガソリンスタンドが少ない地域での通勤・通学や買い物といった日常の足としての利用など、メリットが多いシチュエーションもたくさんあるはず。何より、今後発展していくであろう2輪車EVというカテゴリーにおいて、十分実用的な性能と価格でこのマシンが登場したことには、大きな意義があると感じた。

ホンダ CUV e: 詳細写真

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灯火類はすべてLEDを採用。薄型のヘッドライトと導光パネルを使ったポジションランプで、フロントフェイスはすっきりとしたデザインとなっている。

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メーターディスプレイは7.0インチのTFTフルカラー液晶。バッテリー残量や航続可能距離など多機能な表示が可能。時計はGPSによって自動補正される。

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ハンドル左側のマルチセレクションスイッチは、様々な機能の呼び出しや表示切り替えが可能。

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ハンドル右側にはライディングモードの切り替えとモータースタート/リバーススイッチがある。後進をモーターでアシストするリバースモードは、ハンドル左側のメニューを下げるスイッチとリバーススイッチを同時に押すことで作動する。

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「ホンダ ロードシンク デュオ」でスマホと接続すれば、ナビや通話、音楽など様々な便利機能を利用できる。バッテリー状態に応じた最適なルート提案も可能。今回はスマホから車両への転送がうまくできなかったが、本来はメーター部に地図が見やすく表示される。

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パワーユニットはモーターと減速機をホイール横に配置するユニットスイング式。新開発のモーターは同じ原付2種EVのBENLY e:Ⅱより小型化され、アルミダイキャスト製のケースは一体型となり剛性と強度も最適化されている。

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メインスイッチはスマートキー式を採用。ツマミを右にひねって始動位置にしたあと、ハンドル右のモータースタートボタンを押すと発進できる。要領はガソリン車と同様だ。

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フロント部の内側左にはリッド付きのインナーボックスがあり、内部にはUSBタイプCのソケットを装備している。

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シートはロングタイプで様々な体格やライディングポジションに対処できる。後ろにはボックス装着に対応した大型のキャリアを標準で装備する。

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シート下には交換式の「モバイルパワーパック e:」が2個格納される。リチウムイオン電池で重量は1個10.2kgあり、かなりずっしり。後方にはレインウェア程度が入るスペースを備える。

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家庭用AC100Vコンセントに対応した充電器「Honda Power Pack Charger e:」。バッテリーは2個同時充電が推奨されているので、家で使う場合はこちらも2個使用する。けっこう大きい印象だ。

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フロアボードの広さはごく標準的なもので、足を前に出すスペースはそれほどない。ハンドル下センター部にはコンビニフックを備えている。

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引き出し式のタンデムステップは、滑り止め加工はないが肉抜きされているシンプルな形状だ。

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センタースタンドのほかにサイドスタンドも標準で装備している。

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ブレーキにはABSではなくコンビブレーキを採用。左レバーを握ると前輪にもほどよく制動がかかる。レバーにはブレーキロック機構も搭載されている。

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フロントフェンダーやインナーカバーには空力を考慮したスリットが設けられている。フロントブレーキのディスク径は190mm。タイヤサイズは100/90-12 59Jだ。

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リアブレーキはドラム式。EVなのでマフラーがなく、サスペンションも1本なのでリアはすっきり。タイヤサイズは110/90-12 64Jで、銘柄はDUROのDM413を履く。

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導光タイプのLEDを使ったテールランプはスッキリとしたデザイン。ホンダのロゴも目立つ。

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テスターの身長は170cmで足は短め。CUV e:のシート高は766mmで、片足、両足ともにかかとまでしっかりと接地する。

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