【スズキ アドレス125 試乗記】ガンガン使えてしかも経済的!

掲載日:2025年11月30日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文・写真/小松 男

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SUZUKI ADDRESS 125

維持費を抑えながら、日々の移動手段としてはもちろん、趣味の乗り物としても楽しめ、幅広く愛されている原付二種クラス。その中でもスズキ・アドレス125は古くから多くのファンに支えられてきた人気者だ。

いつも時代に合わせて変化
激戦区にあってロングセラー

去る令和7年9月のこと。都内の特設会場にて、新型アドレス125のメディア向け説明会が開催された。当日はチーフエンジニアをはじめ、デザイン部門や技術部門など、開発に携わった主要スタッフが登壇。新しく生まれ変わったアドレス125の変更点や改良ポイント、そしてその背景にある開発思想について、熱のこもった説明が行われた。

こうした発表会自体は、これまでのモデルでもたびたび行われてきたものの、今回の会場の空気には、どこか特別な熱気が感じられた。「これほど力を入れて発信するということは、今回のアドレス125には相当な自信があるに違いない」、そんな期待が頭をよぎり、私は説明会の終了後すぐに広報車両のスケジュールを確認。思い立ったが吉日とばかりに、試乗テストを行うことにした。

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旧世紀の2ストロークエンジン時代からアドレスシリーズのファンであった私は、これまでにも幾度となく同モデルをメディアで取り上げてきた一人だ。長年のファンとして、そしてメディアの立場からも、新型アドレス125がどのように進化を遂げたのか。その実力を確かめるべく、さっそくハンドルを握ることにした。

スズキ アドレス125 特徴

ドメスティックな進化を経て
グローバルな道を踏み出した

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1980年代中盤、「ファミリーバイクブーム」と呼ばれる時代があったことをご存じだろうか。ファミリーバイクとは、いわゆる原動機付自転車区分の小型自動二輪車を指す言葉で、当時は50ccスクーターが飛ぶように売れた。一家に一台どころか、家族全員がそれぞれ所有していたというほどの勢いで、いまでは想像もつかないことだが、スーパーマーケットの店頭で販売されていたほどの大衆人気を誇っていた。

そんな時代の中で誕生したのが、スズキのスクーター「アドレス」シリーズである。初代モデルは50ccスクーターとして登場し、その後、1990年代に投入された原付二種クラスのアドレスV100が大ヒット。コンパクトな車体サイズによる軽快な取り回しと、100cc 2ストロークエンジンが生み出す圧倒的な加速性能がユーザーを魅了し、街乗りスクーターの代名詞となった。かく言う私自身も、アドレスV100でその魅力に取りつかれ、以来アドレスシリーズのファンとなったひとりである。

後継モデルのアドレス110は、装備や走行性能の面で確実な進化を遂げていたものの、やや大柄となったスタイリングが影響したのか販売は伸び悩んだ。しかし2000年代に入ると、4ストロークエンジンを搭載したアドレスV125が登場。このモデルの登場により、再びアドレスの名はストリートシーンの中心に返り咲くことになる。

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私自身も当初、「やはり2ストロークのほうが速いのでは」と思い込んでいたが、実際にV125に触れてみると、その印象は一変した。アドレスV100を凌ぐ加速と扱いやすさ、そして乾燥重量がほぼ同等という事実に驚かされ、初めてスロットルを開けた瞬間の感動はいまでも鮮明に覚えている。

この頃から、アドレスシリーズの生産拠点は海外へとシフトしていく。台湾や中国の工場で製造され、日本市場のみならず、世界中のライダーに届けられるようになった。つまり、ジャパンドメスティックな存在だったアドレスが、グローバルモデルとしての進化を始めた時期でもある。

近年ではインド工場がその役割を担い、今回登場した新型アドレス125も、まさにその最新世代にあたる一台だ。それでは、1週間にわたる試乗テストを通じて得られたその実力と感触を、じっくりとレポートしていこう。

スズキ アドレス125 試乗インプレッション

旧時代モデルとは、もはや別物的だが、
やはりこれも魅力的な原ツースクーターだ!

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私のように、古くからアドレスシリーズに慣れ親しんできた者にとって、新型アドレス125は、第一印象からして少々“異質”に映るかもしれない。2023年から販売されていた従来モデルの段階ですでに方向性の転換は見られたが、もともとスポーティでシャープな造形を特徴としてきたアドレスが、今回はクラシカルなスタイリングへと舵を切っているからだ。

先代までの“スピード感あるアドレス像”を知る者ほど、このレトロモダンな雰囲気には戸惑うだろう。私自身も最初は「アドレス」という車名とのギャップに違和感を覚えたが、視点を変えてじっくり観察すると、そこにはしっかりと“日常で使いやすいスクーター”としての思想が宿っていることに気づく。フラットで座りやすいシート形状、足元にゆとりをもたせた広いステップボード、そして全体的に落ち着いたポジション設計――いずれも通勤・通学・街乗りといった原付二種スクーターの王道ニーズに真っすぐ応えた作り込みだ。

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V100やV125といったモデルと比較すると、やや大きく感じるのは確かだが、現行の原付二種スクーター市場全体で見れば、むしろ標準的なサイズ感に落ち着いている。触れてみると想像以上に車体が軽く、取り回しと安定感のバランスが取れており、誰でもすぐに馴染める懐の深さを持っているのが印象的だ。

スズキ車の定番装備となった「スズキ イージースタートシステム」ももちろん採用。スターターボタンを軽くワンプッシュするだけでエンジンが即座に始動し、その始動音は驚くほど静かだ。アイドリング中の振動も抑えられており、手に伝わる感触からも“洗練”を感じさせる。

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そしてスロットルを開けると、グッと背中を押すようなトルク感をともなって、実にスムーズに走り出す。搭載されるSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンは従来同様の設計思想を踏襲しつつ、カムシャフトの変更によって低中速域のトルクを向上。さらにCVT(無段変速機)のリセッティングによって、スロットル操作に対する応答性が高まり、街中での加速フィールがより軽快になっている。

特筆すべきは、そのトルクの“質感”だ。スズキらしい、ややゴリッとした機械的な押し出し感がありながら、決して荒っぽくはない。むしろ穏やかな回転の中に確かな力強さを感じさせる。この独特のフィーリングは、アドレスファンなら思わず「これだよ」と頷きたくなるものだ。

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従来モデルにはなかったフロントポケットが新たに装備されたのも、見逃せない進化ポイントだ。スクーターにとって足元まわりの収納は利便性に直結するが、実際に使ってみるとそのありがたみを実感する。当初は「膝まわりが窮屈になっているのでは?」と少し心配したが、実際はまったくそんなことはなく、足元の自由度は十分。スマートフォンやペットボトルを気軽に入れられる実用的な空間として重宝した(ただし走行中は要注意)。

ユーティリティ面でもうひとつ特筆しておきたいのが、リアキャリアが日本仕様では標準装備となっている点だ。“日本のユーザーはトップケース装着率が高い”という市場背景を踏まえての装備だが、トップケースを取り付けなくてもキャリア単体として非常に使いやすい。荷掛けフックを使ってちょっとした買い物袋を固定できるし、キャリアの前方部分は自然とパッセンジャーのウエストサポートにもなる。まさに「日本の使い方」をよく理解した設計だと感じた。

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試乗では、いつものワインディングロードにも持ち込んでみた。新型アドレス125ではフレーム構造にも改良が加えられており、従来比でねじり剛性を約25%向上、さらに約1kgの軽量化を実現している。この効果は明確で、切り返しの軽さやハンドリングの素直さが際立つ。全体的な乗り味としては、タンデム走行や荷物を積んだ状態での安定性を重視したセッティングのようで、リアサスペンションはやや硬め。とはいえ、それが走行フィールを損ねることはなく、むしろ「どんな状況でも安定して走れるスクーター」としての安心感を強く感じさせる。

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2時間ほどの連続走行や、雨の中でのテスト走行でも疲労感や不快感はほとんどなく、スクーターとしての完成度の高さに改めて感心した。通勤・通学といった日常使いはもちろん、少し距離のあるツーリングでも気持ちよく使える懐の深さがある。満タン法で算出した実測燃費は約40km/L。実用燃費としても十分に優秀で、燃料計の減りを気にせず走れるのは心理的にも大きなメリットだ。

あえて“重箱の隅をつつく”なら、スロットル開度の設定がやや広めで、全開までしっかりと手首をひねる必要がある点。個人的には、あと少しハイスロットル寄りの仕様にしてもよいかもしれないと感じた。とはいえ、これはあくまでライダーの好みの領域であり、全体としての完成度を損なうものではない。

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原付二種スクーターに求められる快適性・加速性能・積載性・燃費性能といった要素を、実に高い次元でまとめ上げたモデル、それがこの新型アドレス125だ。しかも、新車価格は税込み28万500円という驚きのコストパフォーマンス。「通勤の足として気軽に乗れる相棒が欲しい」、「でも、しっかり走れて所有満足感もほしい」そんなユーザーの声に真正面から応えた、新世代のベーシック・スクーターと言えるだろう。

アドレスの伝統と、いまの時代が求める実用性。その両立を見事に果たした新型アドレス125は、間違いなく新たなファン層を獲得していくに違いない。

スズキ アドレス125 詳細写真

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排気量124ccのSEPエンジンは、従来モデルから最大トルクの発生回転数を500回転低下させており、CVTの制御を30~60km/hの速度域に最適化することで、俊敏なスタートダッシュをもたらす。

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軽量かつ高剛性を誇る新デザインの5本スポークアルミキャストホイールを採用。標準タイヤはダンロップ・D307Nとなっている。タイヤサイズはフロント90/90-12、リア90/100-10。

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メッキ仕上げのリムを備えたクラシカルな雰囲気のヘッドライトはさらに横長の形状とされた。そのライト下方には新たに「U字」型に発光するポジションランプを追加。一目でアドレス125とわかるアイデンティティとする。

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シート高は770mm。前方から後端までほぼフラットな座面とされており、積載能力やタンデムライド時の快適性も高い。従来モデルよりも横幅が拡張され、長時間乗車での疲労度を軽減する。

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日本仕様ではリアキャリアが標準装備とされている。キャリアとしてはもちろん、純正アクセサリーのトップケースが装着できるほか、パッセンジャーのグラブバーや、ウエストサポートの役も担っている。

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フロントレッグシールド裏には、スマートフォンをはじめとしたガジェットへの給電に使えるUSB(TYPE-A)ソケットも備わっている。その下方には新たにフロントインナーラックが装備されており、利便性が高められている。

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フラットで広々としたサイズのフロアボード。インナーアーチがあるモデルが増えた昨今、むしろフラットフロアボードモデルが再注目される傾向もある。新型アドレス125は、その中でも秀でている印象だ。

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流れるようなボディラインから続くデザインとされたリアコンビネーションランプ。フロントのポジションランプと同様に、「U字」型に発行するLEDテールランプを採用。その上のカバーの下にはメインキー操作で開錠できる給油口が隠れている。

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初代アドレスからのアイデンティティであるシート下ユーティリティスペース。容量は24.4Lと、かなり広いスペースが確保されているが、メットインとはうたっておらず、ジェット型ヘルメットでも入らないものがある。

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シンプルで見やすいメーターディスプレイ。通常運転でブルー、燃費の良い状況ではグリーンに光る『エコドライブイルミネーション』は、乗り出した当初は派手だと思ったが、すぐに慣れた。

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新型アドレス125ではパッシングスイッチやハザードランプスイッチが新たに追加されているほか、フロントインナーラックも装備。シャッター付きキーシリンダーは、防犯性が高いだけでなく、シートや給油口の開錠も可能だ。

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クランクケースブラケットを変更し、従来モデルよりもリアサスペンションのピボットポイントを、前方かつ外側へと移動させている。これにより燃料タンクの容量やシート下ユーティリティスペースの拡大に成功している。

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