

掲載日:2017年03月23日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/野岸“ねぎ”泰之
Umi115の車体サイズはホンダのDio110などとほぼ同じで、原付2種の中ではコンパクト。乾燥重量も99kgとかなり軽いため、小柄な女性など、体力に自信がない人でも気軽に取り回せるし、駐輪場などでも気楽に停められる大きさだ。750mmというシート高も、このクラスではごく標準的なもので、フロアがフラットなこともあり、乗り降りの際のストレスもない。
このUmi115、エンジンをかけ、ひとたび走り出すと、ただのオシャレ系スクーターと一線を画していることがわかる。スタートから40km/h過ぎぐらいまでのダッシュが見かけからくるイメージと違い、かなり速いのだ。それより上のスピードレンジだとさすがに125ccクラスに分があるが、信号待ちで「デザイン優先のオシャレスクーターなんか相手にならないぜ」と高をくくる他の原付2種乗りに、一泡吹かせるぐらいの加速を見せてくれる。信号待ちが多い都市部では、たとえ一時は引き離されたとしても、コンパクトな車体と軽さを活かして混雑をくぐり抜け、次の赤信号ではまた先頭に肩を並べる、といった痛快な走り方が可能だ。さすがはスクーター激戦区、台湾で磨かれただけのことはある。
軽快な分、フロントの接地感は少なめでハンドルは軽いため、コーナーや路面のギャップなどではしっかりと手でホールドする必要があり、タイヤも前後10インチのため、限界性能は高くはない。しかし、中速域までの「羊の皮をかぶった狼」的な加速とレトロでオシャレな外観、という2面性を持つこのマシンは、国産のスクーターにはない個性的な魅力を放つ1台と言えるだろう。
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