

掲載日:2012年06月27日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合 宏介
実用車としての性能は積載性だけではなく、エンジン特性にも表れている。低中速のトルクが太いので、信号待ちなどゼロスタートからの加速が得意。加速は鋭いと表現するよりも、スクーター特有のタイムラグが少なく、アクセルを開けた右手に車体が付いてくるという印象だ。とても従順で小気味よい加速をするので、初心者にも扱いやすく慣れたライダーでも満足できるだろう。市街地を116キロ走行して満タン法で燃費を測ったら、リッターあたりおよそ34キロだった。
シートの着座面は広く、少し幅があるが、テスター(身長163cm)でも、両足のかかとまでピタリと地面につく足付き性の良さがある。長いステップフロアだが、ライディングポジションに違和感はない。その長いフロアに比例してホイールベースも長め。Uターンのような旋回は少しだけ苦手だが、通常のコーナーでは不便を感じるほどではなかった。それよりも、幅が広くてフラットなフロアは自由度が高く、足元の窮屈感が少ないことにメリットを感じた。
スポーツライディングなどは意識されていないモデルだが、重いものを積載した時にも対応できるように、制動力も充分なものが装備されている。前輪はステンメッシュのホースが採用されたディスクブレーキで、カッチリした感触の制動力があった。制動力にも大きく影響するタイヤサイズだが、前後ともに「100/90-10」という一般的なもの。そのため、豊富にラインナップされているので、廉価な製品を選べばコストパフォーマンスは高い。個人的には、ハイグリップタイヤを装着してみても面白いと思っている。それは『シティコム.125』は、動きの鈍い貨物スクーターではなく、俊足のステーションワゴンになれる可能性を秘めていると感じたからだ。
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