

掲載日:2012年06月27日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合 宏介
シティコム.125の特徴は、その積載性の高さといえる。タンデムシートを持ち上げると現れるフルフラットのリアキャリアは最大積載量30キロを誇っている。さらに、フロントポケットとシート下のメットインスペース、2カ所の荷がけフックを合わせると、このスクーター1台で驚くべきボリュームの荷物が運べてしまうのだ。
キャリアを使うために持ち上げたタンデムシートは、ほぼ垂直に立ち上がった状態でロックされ、運転席の背もたれになる仕組みになっている。通勤通学などのデイリーユースで、出先で不意に荷物が増えても安心だ。リアキャリアの周囲にはグリップが3方向にあり、それぞれ2つの荷かけフックが装備されている。そのグリップの表面はザラザラした梨地仕上げなので質感が良く、握った手が滑りにくく、荷物を固定したヒモもズレにくい。
そして後輪ブレーキにはブレーキロック機能がある。ブレーキレバーを握ってホルダーを手前に動かすと、タイヤがロックできるシステムだ。再びレバーを強く握るとロックレバーが外れる。これは荷物の積む時に、たとえそこが坂道でも、車体を安定させることができるので便利に感じた。センタースタンドとサイドスタンドの両方が併設されているので、大きな荷物を安定して運搬しなくてはならないデリバリー業務でも、積載に不便を感じることはないだろう。
もうひとつ、燃料タンクがフロントグリル内にあるため、シート下にはメットインスペースが設けられているのも特長だ。半キャップかレインウエアぐらいが収納できるスペースだが、雨風にさらされず、カギでロックできるスペースがあるのは便利な点だ。
これだけ積載性を重視していて、特にフロントグリルの形状は、実用車にありがちな無骨さが少ない。防風効果も期待以上で、ヘルメットのシールドを開けて走っても、風の巻き込みは極めて少なく感じた。このスタイリッシュなパッケージングと実用性の両立は秀逸なものと言えるだろう。
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