掲載日:2018年04月03日 特集記事
写真・文/田口勝己
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事は『モトメンテナンス vol.126』に掲載された内容を再編集したものです
旧型エンジンを搭載した6V時代のC90K2。車名はC90デラックスで、年式は1974年で「カモメ仕様のハンドル」が特徴となっている。
信号発進時に「えっ!? カブのくせにあいつ速くねぇ?」なんて思われるのは楽しいですよね? スーパーカブの旧90シリーズには、CS90系エンジンが搭載されている。エンジンコンプリートで載せ換えようかとも思ったが、残念ながらエンジンマウントの位置が違っていて、簡単に載せ換えることができなかった。そんなこんなで、旧90ccエンジンのチューニングを考えていたときに思いついたのが、メーカー純正ピストンを流用したボアアップ&ハイコンプ化である。
実は、CS90の旧車レーサーを持つ友人が「CS90にZ400FXのピストンを加工して入れたけど、今のところ壊れないで走ってるよ」なんてお話があった。基本設計が同じエンジンだから、C90スーパーカブにもカワサキのピストンが入るかも知れない!? なんて思って部品を探していたら、ありました!! Z400FXの後継モデルとして登場したZ400GPまでは、同じボア×ストロークを採用していたので流用できると判断。
ただし、このシリーズエンジンは過去にオイル上がり対策で、オイルリング直下にエンジンオイルを掻き落す穴が追加されているらしい。この穴があるとオイル上がりが少なくなるらしいが、見つけた中古ピストンにはオイル穴が無かったので、情報を頼りにオイル穴を追加した。
燃焼室と干渉する部分のピストントップは、自前「旋盤加工」で逃がしたが、友人が言っていた通り、削っても肉厚的に余裕があった!? これには驚きぃ~!! 加工後のピストンとシリンダーは井上ボーリングさんへ持ち込み、ボーリング&プラトーホーニングを実施!! そんなチューンド仕様にピストンを組み換えると、これまでよりもさらにスタートダッシュは良くなった。最高速に大差無かったが、それでもさすがに旧型C90は他のカブファミリーと比べて速い!!
自家製の旋盤加工でピストントップのスキッシュエリア付近を中心にショルダー高さをC90ノーマルピストンに合わせている。ハイコンプ化によってキャブセッティングを薄くできる。
左がC90/CS90/CT90共通の純正ピストンで右がカワサキZ400GPピストン改。トップリングの位置があと少しだけ下がっていれば棚落ちの心配も無い!!
井上ボーリングさんにお願いしたボーリング&ホーニング加工。シリンダーはC90純正のままで余裕。プラトー仕上げでナラシ運転も心配いらない。
横型エンジンは分解が楽ちん!! キャブだってマニホールドごと外して上に吊っておけば良いのだ。ヘッドガスケットは銅リング仕様だ。
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