
車体への接続はバッテリーの+・-端子それぞれに配線を繋ぐだけ。本体はコンパクトなので設置場所に困ることもないだろう。
バイクを動かすためにはガソリンが必要……なんていうことは、誰でも分かること。だけど今、特に現代モデルにおいて、ガソリンと同じくらい重要になっているのが「電力」。そして、その電力を貯める「バッテリー」の重要性が格段に上がっているのだ。
たとえばフューエルインジェクションは、ガソリンをインジェクターに送るためにポンプを使う。そのポンプの作動には電力が必要だし、インジェクターがガソリンを噴射させるためにも電力が必要だ。キャブレターモデルならバッテリーが上がっても「押しがけ」という最終手段が使えたが、現行モデル(一部のキャブレターモデル・レーサーを除く)では使えない。
また、キャブレターモデルでも高年式モデルでは「バッテリー点火」を採用しているものが多く、それらのモデルではバッテリーが完全に上がってしまった状態では、押しがけはできない。
BattCheckを一度セットしてしまえば、あとはいつでもスマホで簡単チェック! バイクの電源を入れなくても、近くにいればバッテリーの状態を知ることができるのだ。
つまり、今やエンジンを始動させるためにはガソリンだけでなく、電力も必須。……にも関わらず、バッテリーの負担は近年、ますます増えるばかり。
車体にはいろいろなセンサーが取り付けられ、もはやバイクは機械ではなくコンピューターだと言ってもいいくらい。さらにスマホの充電やグリップヒーター、車載バッテリーから電源を引く電熱ウェアも人気だ。
これだと、いつバッテリー上がりを起こすかわからない。しかし、バッテリーの状態をチェックするためには、バッテリーにアクセスし、電圧計を端子にセット……これが意外と手間なのだ。
「定期的に調べなきゃいけないけど、面倒くさい」……これが多くのライダーの本音ではないだろうか。
BattCheckで確認できるのは、電圧(写真左)のほか、充電状態(写真中)、電圧記録(写真右)。電圧記録は1日と1年をそれぞれ記録するので、その日の詳細な状態を知るだけでなく、長期の電圧変化を確認することもできるのだ。
そんなライダーの気持ちに応えてくれたのは、ドレスアップだけでなく、便利で実用性の高いパーツを数多くリリースするキジマ。今回リリースした新製品は、なんとスマホに連動させることで簡単にバッテリーチェックが行えるというものなのだ。
BattCheckを使用するには、本体のほかにスマートフォンが必要。iPhoneならiOS8以降、アンドロイドならAndroid4.3以降のOSに対応していて、まずは専用のアプリをダウンロード(BattCheckで検索)。そしてBattCheck本体を愛車のバッテリーに装着する。シートやカウルなど、バッテリーにアクセスする際に外したパーツを元に戻す。つまり、BattCheckはバッテリーに装着したままというわけ。準備はこれでOKだ。
1つのアプリで最大5個のBattCheckが登録可能。複数台所有でも安心だ。アプリではそれぞれのデータを名前をつけて別々に識別できる。バッテリーの種類も6V、12V、24Vに対応。旧車からトラックまで、なんでもOK!
早速アプリを起動し、BluetoothでBattCheckを接続すると、電圧や充電状態がひと目で分かる。BattCheck自体の電源はバッテリーから供給されているので(もちろん微量)、バイクの電源をオフにしていても問題なし。
接続距離は約5~10mもあるので、条件が合えばリビングから裏庭の愛車のバッテリー状態を知る……なんてこともできる。たとえばツーリング前夜、「寝る前にふと気になった」なんていう時でも一切の面倒なく、バッテリー状態が気軽に点検できるのだ。
ちなみにエンジンを始動したときには、電圧計下部に「Charging」アイコンが表示され、バッテリーに充電されているかのチェックもひと目で分かるようになっている。しっかりと確認したいときは、エンジンを始動することをおすすめする。
また、過小電圧のときは警告音と振動でお知らせ。過充電の場合は警告音と振動に加え、スマートフォンの画面に「Charging voltage too high」と表示される。バッテリーの劣化や放電が激しく、充電状態が著しく悪いときにも同様に警告音でお知らせしてくれる。
今や最も重要なパーツといえるバッテリー。その管理をスマートフォンで手軽に行える……まさに現代バイクの必需品といえるアイテムだといえよう。
BattCheck
5800円(税抜)
本体寸法:38×27×18(mm)
重量:22.2g
材質:ポリカーネイド、強化プラスチック
防水規格:IP66
電圧範囲:DC6V~32V
作動温度:-40~85℃
通信規格:Bluetooth 4.0(BLE)
周波数特性:2.4GHz
待機電流:約2mA
対応OS:iOS8以降/Android4.3以降
今回はホンダ・CBR250RRに取り付けてみた。ちなみにバッテリー搭載位置とアクセス方法は車種によって全く違う。愛車を購入したら、まずは搭載位置とアクセス方法を確認することをおすすめする。
CBR250RRの場合は、シート下に搭載。アクセスするにはシート真下、フェンダー裏側から8mmのラチェットレンチを使用してボルトを取り外す。
フューエルタンクの下側にバッテリーが収納されている。オレンジのカバーがプラス端子。逆側でむき出しになっている端子がマイナスだ。
バッテリーの端子を取り外すときは、必ずマイナスから取り外すように。
なぜならバイクのマイナス端子は「ボディーアース」といって、ボディー(フレームなどの金属部分)に接続されていて、もしもマイナス端子をつないだままプラス端子を作業したとき、工具がフレームに触れてしまったら、バッテリーのプラスからマイナスに一気に大量の電気が流れてしまう。つまりショートを起こすことになるから。
面倒でも一旦、マイナス端子は完全に取り外すようにしたい。その後、マイナス端子がバッテリーに触れないように細心の注意を払う。
カバーをずらして、プラス端子を緩める。そして、BattCheckの配線(赤)を挟み込む。抜けないように、しっかりネジを締めること。
マイナス端子にBattCheckの配線(黒)を挟み込む。BattCheck本体の裏側には両面テープが装備してあるので、動かないよう任意の場所に本体を設置。シートを元に戻せば作業は終了だ。
問い合せ/03-3897-2167