質実剛健。アールズ・ギアが生むビレットパーツのクオリティがキテる!!

掲載日/2022年8月18日
取材協力/アールズギア
写真、取材、文/小松男
構成/バイクブロス・マガジンズ
高性能かつ高品質、さらに美しさを追求して作られるアールズ・ギア(r’s gear)製のバイクパーツ群。同社を代表するワイバーンマフラーは、車両の持つポテンシャルをしっかりと引き出しつつ、それをライダーの意のままに操らせるように昇華させる魔法のようなパーツとして知られている。そんなアールズ・ギアから続々とビレットパーツが登場。その美しい作りこみは、眺めるだけでも吸い込まれそうなほど魅力的なだけでなく、コントロール性能を高める機能や耐久性も併せ持つものとなっている。

アールズ・ギアの新たなビレットパーツシリーズである『アクティブスポーツ』ラインでは、Z900RS、Hayabusa、Ninja ZX-25R用パーツが先陣を切って開発された。個々の特徴を紹介して行こう。

手に取るものを安心させる“真面目”な作り

筆者はこれまでもアールズ・ギア(r’s gear)の製品には触れてきたが、その度にどのような環境でテストを行うとこのような気持ちの良い味付けができるのかと思わせる、車両の性能をしっかりと引き出す開発力、そして思わず見とれてしまうほどの美しいビジュアルを兼ね備えていることに驚かされてきた。特にワイバーンマフラーとノーマルマフラーを装着した車両との乗り比べには、毎度目から鱗が落ちるほどである。なぜなら出力特性やトルクの出方などが具合よく引き上げられている上に、音質にまで拘っているのだから。

製品開発を行っているのは、同社の代表を務める樋渡治氏である。WGPの世界でも活躍したレーシングライダーとしての経歴を持つ樋渡さんは、着眼点が鋭く開発ライダーとしても秀でた才能を持ち合わせている。特に現在は自身が率先してツーリングを楽しむようになり、サーキットだけでなく一般道での使用に注力した製品を次々と生み出してきているのである。
そんなアールズ・ギアが新たなビレットパーツシリーズ『アクティブスポーツ』を誕生させたと知り詳細を確かめるために伺ってきた。

Z900RS用のアクティブスポーツ・ライディングステップ。カラーはブラックとゴールドがあり、価格7万4800円。デザインはモデルごとにマッチするように個別に変えられている。追って紹介する車両のライディングステップと見比べてみて欲しい。

Z900RS用のビレットパーツとしてはサブフレームも開発された。剛性の適正化、転倒時のエンジンへのダメージ軽減など、装着によるメリットは多い。

左右ステップのバランスと剛性の引き上げ

アフターマーケットを見渡すと様々なリプレイスライディングステップを散見することができる中、アールズ・ギアのアクティブスポーツシリーズではどのような特徴が持たされているのだろうか。アクティブスポーツのライディングステップを単体で手に取ってみると、肉抜き加工がかなりされているにも関わらず、強固に作られていることが伝わってくる。

「ライディングステップは重要な機能パーツの一つです。車体をコントロールするためにライダーの体格に合わせた適正な位置にセットすることはもちろん、軽量化のことも考慮したうえで、荷重をかけた際にしっかりと受け止められるよう高い強度も持たせなければなりません。特にライディングステップというパーツは、右はブレーキ、左はシフトチェンジと、行う動作が異なることもあり、スポーツ志向が高くなっていくにつれて、ディテールの作りこみやバランスなどがおろそかになってしまいがちなのです。そこでアクティブスポーツシリーズのライディングステップは、肉抜き加工などで軽量化を行いつつも、左右のステップにしっかりとした強度を持たせながらバランスも均等にしています。スプリントレースなど一発の勝負場面でもこのライディングステップによる恩恵を感じられるでしょうし、何時間も走り続けるようなロングツーリングでも疲れにくいものとしています」と樋渡さんは話してくれた。

アクティブスポーツシリーズのライディングステップに単体で触れてみると、左右ともにしっかりとした強度が持たされていることがよく分かる。また、ステップバーの位置調整穴が見えないように工夫されている点など、デザイン面でのこだわりも伝わってくる。

ベースプレート部分を見ると、マシニングマシンによる美しい切削面をデザイン的に活かしながら強度の確保と肉抜きを両立していることが分かる。ライディングシューズやライディングブーツでの操作感も良さそうだ。

ステップバーは贅沢に角材から削り出されている。上面のローレット加工、下面の大胆な肉抜き、そして高い強度と左右均等のバランス。スタイリングと機能をともに向上することは所有欲も満たしてくれる。

アールズ・ギアらしいハイクオリティは買いだ!

アクティブスポーツのライディングステップからはアールズ・ギアならではの高いクオリティが感じられた。もちろん単体での装着でも満足できるものであるが、例えばワイバーンマフラーを装着している車両などはコーディネート的に考えてもベストマッチであると言える。

ビジネスのことだけ考えたならば、アールズ・ギアという看板だけ与えて外注製作した商品をラインアップすることも良いだろうが、質感や性能に徹底的にこだわるがゆえに、自社で開発から製造まで一貫して行っているのだ。このような真面目な部分がアールズ・ギアの製品からは強く感じられる。

該当モデルのオーナーは是非チェックをしていただきたいとお薦めできる逸品となっているし、もし現在ラインアップされていない車種のオーナーだとしても、愛車用パーツの開発を心待ちにアールズ・ギアの新商品の動向をチェックして欲しい。

現行Hayabusa用ライディングステップも登場。カラーはブラックとゴールドが用意され、どちらも7万4800円。ステップバー位置は4ポジションから選ぶことができる。

翼を連想させるフィールプレートのデザインがHayabusaのスタイリングに良く似合っている。個性の強いゴールドにするか、引き締まった印象を持つブラックにするか、カラーリングセレクトに悩むのも楽しい。

アールズ・ギアのビレットパーツはライディングステップだけでなく、開発が続けられている。性能面の向上はもちろん、ドレスアップパーツとしてポイント的に用いるのも良いだろう。

現在250ccクラス唯一となる4気筒エンジンが搭載されたカワサキ・Ninja ZX-25R用のライディングステップも登場した。スポーツ志向が高いキャラクターなこともあり、ライディングステップの換装による恩恵も大きい。

カラーはブラックとゴールドから選べ、価格は7万400円となっている。クイックシフターの装着有無によって品番が異なるため購入時には注意をして欲しい。

Ninja ZX-25R用ワイバーンフルエキゾーストマフラーは、四気筒エンジンの存在感を引き立てることにも一役買っている。規制が厳しくなった今、性能を高めるリプレイスフルエキゾーストマフラーを開発してくれる存在は貴重だ。

アールズ・ギアのファクトリー内にあるビレットパーツ製作パート。2台のマシニングマシンがフル稼働を続けている。対応車種を増やすために開発も続けられており、今後もラインアップの幅は広がってゆく。

今回は新たに誕生したアクティブスポーツシリーズのライディングステップをフューチャーしたが、アールズ・ギアのライディングポジション系パーツは、バイクライフをより楽しく豊かにしてくれるスパイスとして以前から定評がある。

INFORMATION

住所/三重県亀山市のぼの62-9
電話/0595-85-8778

マフラーをはじめ、数多くのパフォーマンスパーツをラインナップ。その全てが高性能なのはもちろん、質感と品質に優れユーザーの所有感を満たしてくれる逸品揃い。代表を務める樋渡 治氏は、全日本GP500などで活躍したトップレーシングライダー。開発能力の高さは折り紙付きで、現在もアールズギア製品をプロデュースする。年間走行距離2万kmを超えるツーリングライダーで、自らが走り込んできた経験を製品に活かしている。本物を求める、成熟した大人のライダーが選ぶパーツ、それがアールズギアのプロダクトだ。
アールズ・ギア