
昨今小型自動二輪クラスはブームと言えるほどの活況を見せている。もちろん大型や旧車も良いが、維持費も抑えられ、コンパクトで扱いやすいという点では、やはり小型自動二輪クラスに軍配が挙げられ、日々接する一台としても適しているだろう。そのような中、ホンダ・CBの名門、TTRモータースが目を付けたのがグロムだった。
2013年に初代モデルが登場したグロムは、世界的に見ても高い人気を誇り、日本においてもかなりの数が販売された。2016年にはモデルチェンジが行われ現在に至る。ミニバイクのジャンルでありながらアクティブなキャラクターで、ワンメイクレースも開催されるようになった。
そんなグロムなのだが、TTRモータースの手に掛かればご覧の通り、どこから見てもCB1100Rになってしまう。
完全オリジナルで制作された外装キット。『タイプRミニ』と名付けられており、ご覧の通りCB1100Rをオマージュしたスタイリングを楽しめる。
『タイプRミニ 外装キット』①アッパーカウル、②アンダーカウル、③タンク一体型シートカウル、④スクリーン、⑤シートベース、⑥アッパーカウルステーセット、⑦シートカウルステーセット、⑧ヘッドライト、⑨テールライト。以上で35万円(税別)となっている。
タイプRミニのデモ車両は、純正ホイールをゴールドに塗装、雰囲気をさらに近づけている。なお、リアサスのリンクは、ジルズ製レイダウンキット(6000円、税別)を採用し、下げる方向でセッティングしている。
オーリンズ製フロントフォークにクリップオンハンドルをセット。スポーティなコクピットに仕上げている。なお外装キットは、グロム前後期どちらでも装着可能となっている。
グロムミーティングに持ち込んだ際のカット。様々なグロムカスタムが参加した中でも、特に目を惹く存在となっていた。
こちらはグロムをベースに、ホンダワークスチームのパリダカ参戦モデルをイメージして作り上げた『グロムパリ・ダカ』。FRP外装タンクカバー、サイドカバー左右、ライトカバー、フロントフェンダーが15万円、リヤキャリヤが2万円、アンダーガードも2万円となっている(すべて税別)。
『疾風伝説TTRG』というチーム名からも想像できる方はいるかと思うが、某バイクマンガをモチーフに、タイプRミニでレン耐にチャレンジ!
自分たちの手で生み出したタイプRミニを使って耐久レースに参戦する。ただ車両を開発するだけではなく、自身たちが率先してバイク遊びをリードするというのは、とても大切なことだ。今回はレンタルバイクを使って耐久レースを楽しむことができる『レン耐』の持ち込み車両枠にチャレンジ! チーム名は「TTRGレーシング」。大のバイク好きとして知られるレイザーラモンRGさんがその名付け親だ。レイザーラモンRGさんのCB1100 TypeRをフルカウル化するカスタムも手がけた際にこのネーミングが決定した。その模様もYOUTUBE動画でアップされているのでチェックしてみて欲しい。
TTRモータースの林一彰代表ほか、同店を通じて出会った、坪井広樹さん、遠藤千草さん、相楽久仁徳さんの4名がライダーとして走り、TTRモーターススタッフの真栄田義成さんがチーム監督を務める。当日の様子はTTRモータースのユーチューブチャンネルでも確認することができるが、ここでは、一日の流れを追い、レポートする。
前述したように、某バイクマンガをモチーフにユーチューブなども作られている。当日はキャラクターをイメージした学生服や白衣へ着替え、撮影も行った。
左から坪井広樹さん、遠藤千草さん、相楽久仁徳さん、そしてTTRモータースの林一彰さん。サーキット走行経験も少ない若手メンバーでの挑戦。楽しみながら攻め走る。
初代ミニスカポリスメンバーでありながら、バイクタレントとしても活躍されている福山理子さんは、レン耐のレースクイーン。愛車CBXでTTRモータースとも繋がりがある木下ほうかさんも自身のチームを組みレースに参戦。タイプRミニは、常に注目の的であり、皆「えっ、これグロムなの!?」という驚きの声を漏らしていた。
元GPライダーであり『レン耐』の主幹主催者、そして本年ル・マン24時間にも参戦した青木琢磨さんも、タイプRミニに興味津々。「トップを狙っていきます!」という林さんの声を受け止めていた。
大きなトラブルもなく各ライダー快走。レン耐は誰でも気軽に楽しめるイベントレースではあるが、レースであることには変わりなく、どのチームも真剣そのもの。だから楽しいのだ。
4時間にわたる耐久レースを無事完走した『疾風伝説TTRG』。成績こそ思うような順位となれなかったものの、タイプRミニの圧倒的な目立ち度から、特別賞が贈られた。レースの模様はユーチューブの『TTRチャンネル』にて確認しよう!