『T.T.R モータース』がCB-F当時の雰囲気を持ちつつ機能が高まるパーツ群を充実させる

掲載日/2018年1月24日
取材協力/T.T.R Motors
記事提供/ロードライダー編集部
構成/バイクブロス・マガジンズ
※この記事は『ロードライダー Vol.440』(2018年9月22日発売)に掲載された内容を再編集したものです。記事の内容は雑誌掲載当時のものです。
CB-F現役当時風の雰囲気を持ちながら、機能も高めてCB-Fライフをより満喫させるパーツ。TTRモータースの林さんはそこを狙って、新しいブランドも立ち上げ、CBパーツ群をさらに展開する。

見ても触っても満足のいく雰囲気に機能も足す

TTRモータースは、CB-Fを中心に同世代のバイクの整備やカスタムを手がける。中でもCBに関しては750Fのリビルドエンジンを供給。CB1100R用カーボン外装等も製作販売してきた。F系では、クラッチ操作力を軽くするイージークラッチレリーズなども用意。そのTTRが、新しいCB-F系パーツを作り出した。その筆頭は、アルミセパレートハンドルキットだ。

「今までCBだと純正のセパレートアップ以外ではバーハン化するのが普通でしたが、改めて一般的なセパレートハンドルを探してみると、しっくりくる物がないんです。それなら作ろうかと思って、製品化しました」

TTRの代表・林さんは言う。3ピースのクランプ/角度調整部とバーからなるこのハンドル、ある種独特の雰囲気。バーの基部には見慣れない“AKUOS”の文字。

「バーは7N01で、他の部分は鋳物なんです。CB-F現役当時、1980年あたりの雰囲気を持たせたかったんですね。削り出しもできるんですが、それだと量産の感覚が出ないので、鋳物なんです。それでクランプ径もφ39mmまでにしてます。CB-F専用というわけではなく、あの時代の旧車に使いたいという人向け。その中で細めのフォークを使うような人に合うかなと。φ41mmを超えると、ルックスも現代的な方を求める方が多くなりますし。φ39mmでも、F系ノーマル全車に対応してます。

当社も埼玉・草加で仕事を始めてもう14年経ちます。それで草加発のブランドとして“AKUOS”なんです。逆に読むと“そうか”。当社で発案して、鋳物は業者さんを見つけて都合5分割の型を作ってもらって。型も試作は3Dプリンタでやったりしてます。

実際に当社のデモ車に装着してテストもしていますが、低く構えていても無理がない感じです。細かく角度も変えられますし、バーをぐるっと反転して少し開き角を変えることもできるので、対応幅は広いですね」

TTRモータースの代表、林 一彰さん。CBシリーズは多くの車両を扱い、同店での販売や整備、パーツ製作に力を入れる。リビルドエンジンも販売し、CB750F純正パーツが買えるオンラインショップもHP上に展開。

当時風をそのまま持ってくるのではなく、機能のみを持ってくるのでもなく、両者を融合させる。ある意味、新しい試みと言える。それはほかのふたつでも同様だ。

「アルミカムプラグは、じつはヘッドカバーガスケットからのオイル漏れ対策にもなってます。STDだとここからオイルが漏れるので寸法を検討して少し大きめにして、溝もガスケットにきちんと入るようにして密閉性を高めてます。

片押し2P用のキャリパーピストンは、固着対策です。純正品はオーバーホール時に普通の3倍くらい力を入れても外れないくらいですから、動きも悪い。7N01アルミで軽くした上に、カチラスコート/硬質アルマイト等で耐久性と作動性を良くしています。これもデモ車で好感触を得ています。旧車らしさを求める人も多いでしょうから、その辺に対応できればいいですよね」

これらは、新しい視野でのCBパーツ展開と言える。ところでリビルドエンジン(消耗品をリプロ含め新品とし、コアパーツはオーバーホールする)のその後は?

「おかげさまで、Fにもっと安心して長く乗りたいという環境になったからか、問い合わせも依頼も増えつつあります。今はスタンダードプラン(59万円)とプレミアム(70万円)のみの展開ですが、今後は内部清掃を強化して、より安心できる仕様にします」

こちらも充実。CB-Fに乗る環境は、一層強化されそうなのだ。

旧車に合うレトロなデザインを地場技術で新作
AKUOS アルミセパレートハンドルφ30~39mm

アルミ鋳物のクランプ+7N01バーで、多段セレーションを使って垂れ角も幅広く設定出来る草加発のセパレートハンドル。オーダー時に必要な内径を伝えればφ30~39mmの間で仕立ててくれる(価格4万824円)。

ヘッドカバーオイル漏れも防ぐ芸コマ系パーツ
CB750F用アルミカムプラグ

ガスケットの半円部に差し込まれるCB-F用カムプラグ。新設計リブでガスケットのズレを防ぎ、純正よりも横幅を1mm広げて横方向の密着性を高め、V溝を設けることで縦方向の密着性を向上するカムプラグ。4個1組でアルミ製(価格1万5,120円)と真鍮製(価格2万1,600円)がある。

軽く、動きを良くする純正対応のリプレイスキャリパーピストン
CB750F純正キャリパー対応アルミピストンφ30用

1981年型CB750FBで採用されたφ30mmの片押し2Pキャリパーのリプレイスピストン。純正比55%の重量低減、アルミ製で硬質アルマイト+潤滑性向上のカチラスコート仕上げによってタッチとコントロール性、整備性がそれぞれ向上する(価格2万7,000円)。今後1100F用φ32mmも製作予定。

すぐ使えることを念頭に置いた組み立て済みエンジンも継続展開

TTRではオーバーホール済みで換装すればすぐ使えるリビルドエンジンも常に用意し、販売している。スタンダード(価格59万円)はガスケット/シール類/ピストンリング/テンショナー/ベアリング/クランク・コンロッドメタル/バルブ/ボルト類を交換してシートカットも行い、外観塗装とカムプラグ交換を加えたもの。プレミアム(価格70万円)はさらに強化部品等を使う。

T.T.Rモータース 公式YouTubeチャンネルにて、動画公開中!。