新車時のようなエンジンを取り戻す魔法! 超高効率かつ最高の仕上がりをもたらす新しい洗浄技法『RECS(レックス)』‼(動画あり)

掲載日/2020年3月4日
取材協力/TTRモータース
写真、取材、文/小松男
構成/バイクブロス・マガジンズ
昨今、80〜90年代に生産された旧モデルに対する需要が高まってきている。月日が経った車両であれば、既存のオーナーは長く付き合ってゆくために大切に扱い、新しく手に入れようとしている方は、車両の状態をしっかりと吟味するべきだ。そのような中でもフレームや足まわりはもちろん、心臓部となるエンジンの状態というのは、なによりもキモとなる部分だ。コンディション復旧のためやレストアの際に、オーバーホールを行うというシーンも増えてきている。ここで紹介するのは、エンジンのオーバーホール時に是非とも取り入れたいブラスト洗浄サービスだ。

ある日の事。メンテナンスやカスタムの実績を豊富に持ち、定評があるモトハウスネモトに入庫されたNSR250R。オーナーの話では、最近乗る頻度が減ってきたことや、エンジンのかかりが悪いなど今ひとつ完調といえる状態ではないので、調子を見て欲しいとのこと。

早速エンジンを始動してみると、どうやら片方のシリンダーがしっかりと燃焼していない模様。ひとつひとつパーツをバラしながら確認してゆくと、キャブレターではフロートチャンバーの動きが渋くなっており、シリンダーの内部も長年の汚れが蓄積していることが分かった。

製造から30年近い年月が経っていることもあり、細部の汚れは並大抵の事では取り除けないことと、今回のメンテナンスを機に、エンジンを生き返らせたいというオーナーの要望に応えるために、オーバーホールへと踏み切ることになった。せっかくオーバーホールを行うのであれば、新車当時のようなポテンシャル、そして輝きを取り戻してあげたいと考えるのがプロフェッショナルだ。モトハウスネモトでは、T.T.Rモータースが提供しているブラスト洗浄サービス『RECS(レックス)』を使い、エンジンとキャブレターの内部まで磨き上げることに決めた。

バイクメンテナンスの駆け込み寺的存在であり、幅広いライダーに支持されているモトハウスネモトに入庫されたNSR250R。エンジンを始動して見たところ、どうやら片排状態のようだ。この機会にエンジンをオーバーホールすることを決め、それと同時にT.T.Rモータースが行うブラスト洗浄サービス、レックスを施工することにした。

リアル・エンジン・クリーン・システムの頭文字をとったレックスとは、ウエットブラストによる内部洗浄サービスのことだ。細かい部分にまで入り込み洗浄することができるウエットブラストの特徴と、重曹をメディア粒子に用いることで、施工後に簡単かつ完全なメディア除去が行えるというメリットを持っている。T.T.Rモータースではこれまでブラスト洗浄に対する研究を進めてきており、その集大成としてこのレックスというサービスを開始した。

サンドブラストなどと異なり、パーツへのダメージを与えることがないという点、溶剤類は環境問題に適したものを使用していること、そして何よりも一般的なブラスト洗浄と比べ1/5程度の作業時間で済むというメリットがある。レックスの施工を拝見させてもらったので、その工程を紹介してゆこう。

T.T.Rモータースへと持ち込まれたNSR250Rのエンジンとキャブレター。ちょっと見ただけでもかなりの汚れが蓄積されていることが伝わってくる。

まずはエンジンを分解し、洗浄する。レックスは、ブラストを用いた洗浄が重要なのはもちろんではあるが、ポイントとなってくるのはブラストで使用した重曹メディアを、短時間でしっかりと除去できることにもある。それには使用する溶液の濃度及び温度の管理がとても大切なのだ。

ブラスト施工前に作業短縮の為溶剤につける。このようにいくつか段階を踏んでしっかりと準備を行うことが、レックスの効果を高めるポイントとなっている。

いよいよブラスト開始。エンジン内部の奥の奥までしっかりとブラストが届くように、目視しながら施工を進めてゆく。エンジンパーツそのものにはダメージを与えず、それでいながら細部まで汚れを取り除く。

ブラスト後、ブラスト粒子の除去には専用の溶剤に漬けることで完了する。粒子は溶剤と化学反応を起こし強力な泡となることで細かい穴の奥に残ったスラッジ、油分をかき出しながら完全に消滅する。時間を大幅に短縮できることは、エンジン内部洗浄サービスとしては大きなメリットだ。

エンジンパーツを一通り洗浄することができた。外からの見た目だけでなく、エンジンの内部までピカピカに仕上がっている。これならばエンジンを組むメカニックも気持ちよく作業することができるだろう。

キャブレターも同様の手順で進め、レックスを行った。真鍮素材が使われたパーツは特に輝きを取り戻しているようにも見える。性能はもとより、綺麗な状態の機械というのは美しく、見ているだけでも心が躍るものだ。

FINISH! Before After

まるで新品のような輝きを取り戻したエンジン。これはエンジンを触るメカニックも、オーナーも満足できるサービスであり、エンジンのオーバーホールを行う際には、是非レックスもあわせて施工したい。エンジンの組付けなどの問題もあるため、基本的にはエンジン単体の状態で持ち込んで作業を行ってもらうことになっている。詳しいことはT.T.Rモータースまで問い合わせを。

RECSのキャブレター洗浄の様子を動画でチェック!

取材協力

モトハウスネモト
住所/東京都大田区中央7-5-2
電話番号/03-3754-1727
ユーザーの希望に合わせてメンテナンスやカスタムなどを行うバイクショップ。2ストロークモデルの整備をはじめ、テイスト・オブ・ツクバなどへ参戦するレーサー製作の経験も豊富であり、職人的技術力を用いて、ユーザーのニーズにプラスαの付加価値をもたらすサービスを提供する。

INFORMATION

住所/埼玉県草加市吉町4-3-28
電話/048-925-8655

旧車や絶版車のメンテナンスを得意とするT.T.Rモータース。中でもホンダCB-Fのリビルトエンジン製作販売を手掛けており、リビルトエンジンを開発することで蓄積されてきた経験とノウハウからレックスを導入することに至った。メンテナンスやレストアの相談も受け付けている。