違和感のない操作で快適! バイク初心者でも安心して使えるキジマのグリップヒーターGH10(動画あり)

掲載日/2021年3月2日
取材協力/キジマ
写真/井上演、伊井覚 取材、文/伊井覚
構成/バイクブロス・マガジンズ
新型コロナウイルスの影響で最近は二輪の免許センターは大混雑。入所待ちすら出ていると聞く。また、バイクも売れて在庫が足りなくて困っているという話すらあるほど。というわけでこの冬は、バイクデビューして初めて冬の寒さを肌で感じて色々と対策を講じているライダーも多いのでは? しかし、ツーリングにしても通勤・通学にしても、冬のバイクに手の冷えは永遠の天敵。いくら厚手のグローブをつけても防ぎきることはできない。その唯一の解決策が、グリップヒーターだ。GHシリーズで長きに渡り、グリップヒーターを販売しているキジマの最上位モデルGH10。今回は実際にセロー250に取り付け、冬の朝の通勤に使ってみた。

純正に近いグリップ径と手元のスイッチは
事故を未然に防いでくれる、初心者にも安心な構造

グリップヒーターを装着したら思いのほかグリップが太くなってしまって、アクセルやブレーキ、クラッチの操作感が変わってしまった、という経験をお持ちの方もいるだろう。グリップヒーターはグリップの内側から温めるという特性上、どうしても必然的にグリップは太くなってしまう。これはもはや宿命のようなものだ。

しかし、このGH10はその太さを最小限に抑え、グリップの最小外径32mmを実現。GHシリーズでは最もスリムな握り径で、純正グリップとほぼ同等と言える。実際に走ってみてもアクセル側、クラッチ側共に違和感なく、言われなければグリップが変わったことすら気づかないレベルだった。

ただでさえ冬は夏よりもグローブが厚手になり、アクセルやクラッチレバーの操作が曖昧になりやすい。特に初心者はそんな些細な違いが操作ミスに繋がり、事故を起こしてしまう可能性も上がるだろう。だからこそ、この純正に近いグリップの細さはとてつもなく重要なのだ。

ヒーターのスイッチは左手親指が自然にアクセスできるこの位置。ウインカーやヘッドライトの操作と同じく、実に自然な動作でオン/オフが切り替えられる。スイッチが複雑な位置にあると、スイッチを探すために視線を手元にやらなければならず、その一瞬が事故を招いてしまう。このGH10なら、そんな心配は無用だ。

温度レベルは5段階で調整が可能。オフの状態と合わせると6段階となり、そのレベルは手元のスイッチに内蔵されたLEDライトで一目瞭然だ。寒色から暖色になるにつれて暖かくなるので、実にしっくりくる。出力の違いは20%づつアップしていき、レベル5からさらにスイッチを押すとレベル1に戻る。電源をオフにするためには3秒以上の長押しだ。

実際、2月のキリリと冷える朝に通勤に使ってみたが、自宅を出発する朝7時には冷え込んだ朝の空気に手の冷たさは極限。最大のレベル5で対応した。しかし、8時をすぎると次第に寒さが落ち着いてきてレベル3へ。そして会社に着く9時近くなると陽が照って暖かさすら感じるためレベル1。と、そんな具合に気温の変化に合わせて容易に温度調整ができるのは、実にありがたい。

また、細かいけれど一番便利だなと思ったのは、コンビニに寄るためバイクを降りて一度電源をオフにしたが、再出発時に電源をオンにしたら、切った時の温度レベルを覚えてくれていて、いきなりレベル5で再出発できたところ。地味だけど、毎日使うからこそ、この機能があるとないとでストレスが全然違ってくるのだ。

また、このヒーターの温度を知らせてくれるLEDは、エンジン始動時にバッテリーの状態をチェックしてくれる。キーをオンにして白く光ればOKのサインだ。もしも紫色に光ったら、バッテリー電圧をチェックしよう。グリップを暖めるだけでなく、バッテリーチェッカーとしても役に立つぞ。

バイクにとって冬の手の冷えは永遠の天敵。我慢して乗っていると手がかじかんできてブレーキやクラッチレバーの操作が疎かになったり、事故の原因にもなり得る。

もちろん、このグリップヒーターをつけるだけでも手を内側から暖めてくれるのでものすごい効果があるのだが、極寒の地方にお住まいでそれでも足りないという方は、このグリップヒーターにプラスしてハンドルカバーを装着してみて欲しい。するとなんと、どんなに寒い朝夜でもまるでコタツの中に手を入れているかのように暖かくなるのだ。夏用のメッシュグローブでもなんら問題なく、冬にバイクに乗るストレスが吹き飛んでしまうことだろう。

スロットルパイプ内蔵で
取り付け操作も簡単

さて、このGH10の便利さが分かっていただけたところで、購入しても取り付けられなければ意味がない。もちろん、初心者や電気系に自信のない方はショップにお任せして欲しいのだが、ここでは「ちょっといじれる人なら自分でもできるよ」というのを知ってもらおうと思う。

電源をどこから取るかは車種によって違ってくるのだが、簡単にアクセサリー電源をつなぐことができる車種なら付属のエレクトラタップを使用して容易に作業ができる。また、ワイヤーハーネスもかなり長いので、フロント周りから電源が取れない場合でも安心だ。配線が完了したら、グリップをつけてしまう前に一度電源を入れてみて、グリップが暖まることを確認しよう。


スロットルアダプターはこちらの3種類が付属する。純正の形状とよく見比べて、同じタイプの物を選んで使用する。セロー250の場合はこちらのスロットルアダプターBが適合した。


スロットルケーブルのタイコをセットしてグリップの位置を合わせる。この時注意したいのが、アクセルを開け閉めした時にヒーターの電源ケーブルがブレーキレバーに干渉しないようにすること。スロットルパイプが一体式なので、アクセル側のグリップはグリップボンドを塗って押し込む作業が不要なのも嬉しいポイントだ。

また、バーエンドキャップが付属しているので、バーエンドタイプと非貫通タイプどちらにも対応可能だ。バーエンドが付いているバイクや、クローズドタイプのハンドガードを付けているオフロードタイプにも対応している。

KIJIMA
グリップヒーター GH10 120mm スイッチ一体タイプ
17600円(税込)
サイズ:グリップ長120mm
適合ハンドル:標準ハンドル(φ22.2mm)
代表適合車種:
HONDA・・・モンキー125、CBR250R、CB400SF/SB、CB650F/R、CB1300SB/SF(対応スロットルパイプ品番:53140-K0F-T00・53140-KYJ-900 ・53140-MGS-D30)
YAMAHA・・・VMAX、FZ1-S/N、YZF-R25/A/3A、MT-25/30、ドラッグスター250、NMAX125/150、MAJESTY、MAXAM、シグナスX/SR、MT-09/A、XJR1300(対応スロットルパイプ品番:1WD-F6240-00・2DP-F6240-005BE-26243-00・4GY-26242-00・4YR-26240-02・5UA-F6240-01)
SUZUKI・・・GSR250/S/F、GSX250R、V-STROM250、GSR750、GSX-S750、GSX-S1000/F、V-STROM1000、V-STROM650/XT(対応スロットルパイプ品番:57110-48H00・57110-21H02)
KAWASAKI・・・NINJA250(13-19Y)、NINJA400(14-19Y)、NINJA650(12-18Y)、Z800、ヴェルシス-X250、ZX-6R(13Y-)、ZX-10R(11-19Y)、NINJA1000(11-19Y)、Z1000(10-20Y)、H2(対応スロットルパイプ品番:46019-0060・46019-0020)

また、グリップ長130mmタイプもラインナップされており、そちらはKAWASAKIのZ900RS、Z900、ゼファー400X(06-08Y)、NINJA650R(06-08Y)、ZX-6R(07-06Y)、NINJA250R(08-13Y)、NINJA400R(11-13Y)、Z1000(06-09Y)、ZRX1200DAEG (09-16Y)、ZX-14R(08-19Y)、ZZR1400(08-11Y)に適合している。

グリップヒーターGH10の紹介を動画で見る

INFORMATION

ハンドルまわりから外装、足まわり、電装品、マフラー類、消耗パーツに至るまで、バイク関連のほぼすべてのパーツを取り扱うKIJIMA。汎用品だけでなく、車種別に開発されたパーツ類も多岐に渡り、国産車から外車まで幅広く揃う。近年はオトナのライダー向けウェア/プロテクターのオリジナルブランド『4R』(フォーアール)を展開していることでも広く知られている。

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