掲載日:2026年09月24日 プロが造るカスタム
取材協力/PIT IN AUTO 取材・写真・文/ガスグラフィックス

ホンダ・フュージョンに乗るオーナーが、少しずつ増えてきている印象がある。この車両の発売は1986年と今から40年も前に遡り、1997年に生産終了。しかし、当時のビッグスクーターブームの影響により、2003年に新車で再発売され、2007年に二度目の生産終了。この稀有な歴史を繰り返し、さらには令和の時代にも親しまれる理由は、古いはずなのに古臭さを感じさせない、フュージョン特有の絶妙なレトロ感にあると想像している。

今回紹介する車両は、2007年頃に東京のピットインオートによって製作された1台だ。同店は、新車販売店としての業務がメインのため、大掛かりなカスタムよりも自社オリジナルパーツの開発販売と共に、それらを装着した新車のカスタムコンプリート販売が中心だった。それだけに、ピンストライプも含めたオリジナルペイントのボディや、独特のスタイルを醸し出す3眼ヘッドライト。そして、ブラストマニア製デルタボックスサイレンサーの装着といった、派手めの車両作りは非常に珍しい。
この車両のポイントは、カスタムアイデアをオーナー自らが作り出し、それをピットインオートが忠実に再現したという、二人三脚によるオリジナルスタイルであること。しかも、当時は様々なパーツが製品化されていたので、それらを組み合わせるだけでも、個性的な車両を完成することができたのだ。カラーリングも含めて、スタイリッシュながら、どこか溢れるポップ感。ユーザーの趣向を反映するスクーターカスタムの奥深さを、改めて実感させてくれた1台だ。

アメリカンバイクやトラッカータイプなど、ビッグスクーターでは使わない当時の定番ヘッドライト、ベイツタイプを3個使用。各所にピンストライプも描かれている。

ハンドルは幅の狭いデイトナのナロ―バーを装着。ミラー、グリップ、マスターシリンダーなど、全てメッキタイプでまとめている。

白い表皮とグリーンに彩られたボタンとパイピングのコントラストが、とても味わい深い。

マフラーエンドは縦3連。しかし、サイレンサー部は三角形状に仕上げたブラストマニア製デルタボックスサイレンサー。フュージョンのボディに合うようにされた苦心作である。

ペイントなどは老舗ぺインター、カスタムスタジオコビーが担当。ハーレーなどを得意としているが、当時はビッグスクーターの製作にも数多く関わっていた。

フュージョンは北米地域でもヘリックスの名前で販売されていた。そのためボディサイドには、北米仕様車両に必要なサイドマーカーも存在。この車両では、ボスコムジャパンによるワンオフパーツを装着している。
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