掲載日:2026年09月05日 プロが造るカスタム
取材協力/HOT WIRED 取材・写真・文/ガスグラフィックス

ブラストマニア製のエアロを中心に、マフラーやリアスポイラーのカチ上がりなど、ブーム全盛期を彷彿とさせる外観だが、このホンダ・フォルツァの本質はオーディオにある。オーディオデッキやスピーカー、モニター類を装備するだけではなく、そこから響く音をどうやって鳴らすか。そして聴かせるか。音量ではなく、本当の意味で音質にこだわったのが、この車両だった。
製作したのは、愛知県名古屋市港区で営業を続けるHOT WIRED(ホットワイヤード)。代表を務める三輪洋揮さんは、オーディオカスタムの本場アメリカで6年ほどの武者修行を経験。1999年の同店開業以来、27年にも渡って、オーディオを中心にカーセキュリティのインストールなど、アメリカの現地の文化と技術を日本に継承し続けている老舗である。

ビッグスクーターブーム当時は、このHOT WIREDのように、カーカスタムに精通したプロショップやエアロブランド、サスペンションメーカーなどが数多く参加。群雄割拠と言う言葉がしっくりくるほど、各社が凌ぎを削っていた時代だった。このフォルツァも、2007年頃に製作されており、同店の技術を証明するためにプライドを持って製作された1台だった。
オーディオカスタムを楽しむうえでポイントとなるのは、ビッグスクーターの場合、音楽を聴く空間が基本的にアウトドアである、ということ。クルマならば屋内空間に囲まれるため、音の反響のコントロールが求められる。しかし、バイクにはそのような反響するポイントはほぼ存在せず、音は全てオープンエリア(外)へと流れてしまう。そのために、音そのものを出力するソースユニット(iPodやDVDプレイヤー)。送られてきた音声の電気信号を大きく増幅させるパワーアンプ。それらをしっかりと響かせる各スピーカー。さらに、そのスピーカーの設置環境と、これらの製品選びや正しい装着方法。そして、高音や低音といった音域の調整が必要となる。
オーディオカスタムは、ローダウン、エアロ装着、ロングホイールベースといった視覚的に理解できる内容とは異なり、目に見えない“音”を追求することが本質とされる。それだけに、ここにこだわるユーザーと作り手の統一された意志と高い向上心が無ければ、このフォルツァのような車両は生まれてこないのだ。

外部出力のスピーカーは上下で合計4機装着。全て、ロックフォード製コアキシャルスピーカー(上:4インチ/下:5インチ)を選択しているが、それらの設置個所は、振動対策などを施した専用ボックスを設けている。

シートボックス下には、DVDプレイヤーやHDDナビ、デジタルパワーアンプを設置。これらも振動対策はもちろんだが、見せるためのオーディオボードとしての作りも意識。

シート下にはサブモニターを設置。万が一の際にも、問題なく作動させることができるようにという配慮が、プロショップならではのこだわり。またこの部分にも、SUCUBAウーハーボックスを活用しロックフォード製スピーカーをインストール。

オーディオを鳴らすメインユニットは、当時の最新式だったiPodを使用。オーディオコントロールのリモコンと共にダッシュボードに収納されているが、ここにも完璧な振動対策が施されているのがポイント。

ハンドル周りには、アルパイン製ブルートゥース内臓タッチコントロールモニターM740BTを装備。ナビ、DVDの視聴などはここで楽しめる。

オーディオを安定して楽しむためには電圧管理も重要。そのためこのフォルツァには、オービタル製バッテリーG19+を増設しており、自動アイソレーターを使ってメインバッテリーとサブを、充電や保護を目的に自動で切り替えている。まるでキャンピングカーのような装備も、オーディオ車としてのこだわり。
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