掲載日:2024年05月22日 プロが造るカスタム
取材協力/ZOOM 取材・写真・文/ガスグラフィックス
エアロ装着などに留まらないフレーム加工といったワンオフによる加工が伴うカスタムを、一般的にハードカスタムと呼ぶ。そのスタイルにセオリーは存在しない。とにかく、唯一無二の作品を目指して、その車両オーナーとプロショップのビルダーによる情熱が強く表現された個体は、それら全てが絶対的に美しい。
今回登場するスカイウェイブは、広島県福山市にあるZOOM(ズーム)が手掛けた車両だ。元々、空冷Z系を得意としていた同店だったが、フレーム加工といったワンオフ製作も得意だったため、スクーターのユーザーからの支持も増加。その結果、当時の様々なカスタムコンテストで常に上位入賞するような有名車両を数多く手掛けるようになった。この車両にも見られるように、同店の特徴はCJ43スカイウェイブ用エンジンのスワップに伴い、後輪4輪ホイール化とフレーム着地によるスラムドスタイルだ。この車両はベースがスズキ・スカイウェイブだが、ヤマハ・マジェスティCによる車両も数多く手掛けて、このハードカスタムをZOOMの定番スタイルとして認知されていた。
こちらのスカイウェイブも4輪ホイールと着地化に目を奪われるが、見所はそれだけではない。さり気なく15インチ化されたフロントホイールや、ハードカスタムの中では珍しい乗り心地を考慮したワンオフシート。そして、同店オリジナルパーツとしてラインナップしているセパレートハンドルなど、随所にZOOMとしての個性を散りばめていることだ。このような技術力とセンスの融合が、当時の賞獲得常連店という結果に結びついていたのは間違いない。なお、現在はスクーター関連の製作は受けていないが、商品によってはスクーター用パーツの購入は可能。当時のZOOMイズムを体験したい方はお問合せを。
フェイスとサイドはJET’Sのドラッグボンバーをセレクト。上品なラグジュアリー感とちょっと派手なデザインを融合させた、当時の人気商品。
エンジンはCJ43スカイウェイブ用に交換。それに伴い、定番の後輪4輪ホイールを装着。停車時のフレーム着地は、そのバランス感とワンオフ加工の技術力が求められるため、ビルダーのセンスと腕の高さが如実に表れるポイントだ。マフラーもワンオフするなど、ハードカスタムの好例である。
フロントに15インチを装着して、リアとのバランスを意識した。しかも、この大径化に合わせて、ディスクローターもZOOMオリジナル品へと交換。ベルリンガーの6ポットキャリパーと共に、足回りのゴージャス感はお見事。
リアテールは、左右一体型ではなく独立デザインという珍しいタイプを採用。カバーはクリアでライトがガトリング風。インナーがブラックのため、無灯火時はボディに馴染んで見えるのがポイント。
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