掲載日:2023年11月23日 プロが造るカスタム
取材協力/PRO SHOP WAVE
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターブーム当時、「湘南系」と呼ばれ注目されていたスタイルがあった。場所は神奈川県湘南エリア。イメージは、完全にカースタイルのスポーツコンパクト、いわゆる「スポコン」そのもの。派手な色にスポンサーステッカーを装着。走りをイメージさせる作りで、一大派閥として全国より注目されていたのだ。その人気スタイルを作ったのが、プロショップウェーブだ。元々はドリフトをメインとした4輪ショップ。そこに集まるユーザーの中でビッグスクーターが流行し始めたことで、スクーターも手掛けるようになった。その後、ブーム終焉前にはスクーターカスタムからは手を引いているが、今でも4輪ドリフト系ショップとして、このジャンルの中で第一線を走り続けている。ちなみに、このウェーブのお客さんとして出入りを始め、その後プロに転向。今でもこのエリアで活躍しているスクーター専門店がショーケース。さらに、当時からペイントやカッティング、バイナル系でウェーブと共に注目され、今でも活躍中のペイントショップが、ヒロキックスデザインである。
ここに紹介するスラムドスタイルのヤマハマジェスティCは、ショーイベント真っ盛りの当時、人気を集めていた電装系に力を入れたカスタムだ。フロントフェイスに5機、シート下にもフリップダウン式を1機装着。これだけでもインパクトがあるが、「スポコン」を連想させるGTウイングを、通常のリアスポイラーに追加したリア周りなど、唯一無二の存在感を醸し出している。しかも、プロショップウェーブでは、自社製品で各部のエアロパーツを持っていたにも関わらず、この車両に使用したのはフロントフェイスのみ。自社製にこだわり過ぎず、優れた製品は迷うことなくライバル商品でも活用していた懐の深さも同店らしい。
ビッグスクーターのハードカスタムが、他車フェイススワップやシンプル系に流れたことで、最近ではこのようなモニターを多用したオーディオ系を見る機会がめっきりと減ってしまった。この旧き時代の人気スタイルを紹介することで、現代のユーザーへのカスタムのヒントに繋がってくれれば嬉しい限りだ。
ウェーブのスクリーンレスカウルをベースにモニターを装着。雨に弱い電装系をあえて表側に装着したことが、カスタムショー出展を強く意識した車両であることが理解できる。
ハンドル周りは当時定番のフルメッキ仕様に変更。スイッチボックスもメッキ加工が施されている。メーターは今は無きブランド、百鬼のELメーターを装備。スマフォ全盛期の現代からすると、当時のiPodが懐かしい。
リアテールはオールクリアレンズが特徴的なポッシュ製ユーロタイプを装着。これもスポコンテイスト溢れるパーツ選択だ。その上に見えるのが、ジェッツ製リアスポイラー。これもサイド部分にダクト加工を施すなど、ひと手間かけた仕上げが伝わってくる。
シートを開ければフリップダウンモニターが登場。シート下スペースは、オーディオやモニター類を制御させるためのユニットやエアサス用タンクなどが収納されている。
右側のステップボードには、バッテリー電圧計などの追加メーターを装備。こうしたさり気ない場所に設置するのもウェーブらしい作りこみだ。
こちらが、ジェッツ製リアスポイラーの上に追加装備されたウェーブ製3DGTウイング。ドリフト系ショップのため、本物と同様のスポーティデザインが大得意。このGTウイングも一世風靡した懐かしいスクーターパーツのひとつなのだ。
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