掲載日:2023年06月28日 プロが造るカスタム
取材協力/BUTTERFLY SYSTEM
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターカスタムの大きな特徴はエアロ装着という、ノーマルボディに社外品の外装を追加してドレスアップを楽しむスタイルが主流ということだ。これが一般的なオートバイカスタムとは大きく異なり、どちらかと言えばクルマのカスタムと同様の手法になる。その結果、スクーターに携わった企業はバイク関連各社だけではなく、4輪業界で活躍するトップメーカーが何社も参加していたことも忘れてはいけない要素だった。今回ご紹介するマジェスティは、今現在も軽自動車業界を中心に活躍する人気エアロブランド=GLANZ(グランツ)を擁したバタフライシステムが作った車両となる。同社は他にも黒死蝶といったブランドも展開しており、九州では老舗のエアロメーカーなのだ。
このマジェスティは、バタフライシステムが最初期に手掛けたもの。当時流行っていた派手めで二眼フェイスを実現するフロントマスクを採用。その一方で、純正のボディラインを意識した自然な仕上がりを見せるリアスポイラーやフロントアンダースポイラー。この相反する要素を凝縮させ、1台の中で違和感なくまとめあげていることに注目してほしい。同社はこの後、ここから進化した究極のシンプル系エアロをラインナップしている。その車両は2022年6月にここで掲載しているが、今回のこのスタイルからあの正統派ラグジュアリ―スタイルに行きつく過程は必見。当時のブームがどのような雰囲気で、かつ関係各社どのように日々戦いながら、人気エアロを開発していったのか。その過程が楽しめるはずだ。
グランツとしての第1期は、ご覧のようなノーズ部を延長させた二眼デザインだったことが興味深い。定番の派手系を意識しながらも、ヘッドライト上部のラインやフロント上部はシンプルな面構成にするなど、相反する要素を上手く融合させている。
シンプルのあまり気づきにくいかもしれないが、フロントアンダーカバーもラインナップしていた。純正らしさを損なわず、グランツらしさを表現する。ラグジュアリーとは何かを、クルマ業界で学び成功してきた同社ならではの答えがここにあった。
リアスポイラーはタンデムバーと一体化しつつ、リアテールを美しい細目に変更できる秀逸デザイン。さらにその下部にはリアサイドにさりげなく寄り添うようにアンダースポイラーも装備されている。シンプル好きにはたまらないこの美しさは必見。
張り替えのように見えるが、実は被せてイメージを一新させるシートカバーも販売していた。このアイデアもバイク業界ではなく、クルマ業界育ちならではのもの。表皮の質感や大柄なダイヤカット、ステッチのデザイン製など、張り替えと肩を並べるクオリティ。
マフラーは、同郷である福岡のビッグスクーターブームを一緒に支えたD.N.K division(ダンクディビジョン)の312Mマフラー。このブランドもセンスの高いスタイルで、何台もの有名車両を手掛けてきた老舗店で、グランツのエアロ類との相性も抜群だった。
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